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セールスマン

イラン映画「セールスマン」を見ました。
昨年のカンヌ国際映画祭脚本賞&男優賞を受賞 アスガー・ファルハディ監督
アカデミー賞外国語映画賞を受賞したが、トランプ大統領のイスラム教徒入国禁止に抗議して、授賞式出席をボイコット。
先週主演女優のタラネ・アリドゥスティが来日し、NHKでインタビューを受けていた。
タラネ・アリドゥスティ

タラネの美貌に惹かれて映画を見たのだが、すっかり裏切られてしまった。
わざと老け役を演じ、それも心の内面を表現するすごい女優だ。

大学の講師をしながら、夜は劇団でアーサーミラーの「セールスマンの死」の主人公を演じるエマッド。
タラネが演じるエマはその奥さんで、「セールスマンの死」でも奥さん役に取組んでいる。
二人が住んでいるアパートが突然崩壊し始め、移転を余儀なくされる。
劇団の脚本家が空いたばかりのアパートを斡旋してくれ、転居する。
しかし、その部屋に前に住んでいたのは娼婦で、その客が娼婦がいると思ってアパートを訪れる。
インターホンを押すと、シャワーを浴びていたエマはエマッドが帰ってきたと思ってカギを開けてしまう。
娼婦の家だと思って入ったセールスマンは、シャワーを浴びていたエマにそそられ、傷つけ犯してしまう。
エマは恐怖から一人でいる事が出来なくなり、エマッドは復讐のため犯人探しに奔走する。
遺留品から犯人を発見し追い詰め、そして・・・・

といったストーリーなのですが、怖いですねー!
娼婦の家を訪ねた男はどこにでもいる普通の男。
それがシャワーを浴びている素敵な女性を見たら自制が効かなくなる。
これって、誰にでもある衝動ではないのでしょうか。
小学校の先生がスカートの下にカメラを入れて撮って全国ニュースになるなど、何と馬鹿な事をするのだと思うけれど、短いスカートをはいている魅力的な女性が階段の上を歩いていたら、ついつい覗きたくなるのは、不健全なのでしょうか。それとも人間の性なのでしょうか。
そして、妻が犯された時に、警察に告発するのが当たり前の行動ですが、それで気が収まるのでしょうか。
イランの処刑で当たり前の、目には目を、歯には歯をを実行してこそ、気が収まるのが人間の性なのではないでしょうか。
その人間の性を、実に重く描いている映画でした。正直疲れました。

タラネの美貌から、マリリンモンローの映画レベルを期待したのですが、まったく裏切られた思いです。
彼女はますます世界の大女優になって行くのではないでしょうか。

性>抑制力 → リスクの発生
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SNSを利用した選挙誘導

トランプ大統領の行動が、地球の将来に重大なダメージを与えようとしている。
TPPからの離脱・・・アメリカ至上主義・・・アメリカを含んだ地球経済の破綻
パリ協定からの離脱・・・地球温暖化対策の後退・・・アメリカを含んだ地球環境の悪化

アメリカ国民はなぜ彼を選んだのか?
最初はクリントンの圧倒的勝利と目された。
ところが、メールの私的使用を批判されて雲行きが変わってきた。
メールの私的使用がなぜそんなに批判されなければならないのかよく分からないが、それを言うならばトランプのツイッターでの政策発表の方がよほど酷いと思われる。
それもロシアのハッカーに呼び掛けてクリントンの私的使用を探させたという。
SNSによる選挙誘導も露骨に行われたようだ。
ツイッターにはハッシュタグという分類タグをつけて検索しやすくする機能があるが、高度に自動化されたボット機能でトランプのハッシュタグをつけたツイッターが大量に拡散されて、支持を呼び掛けたという。

日本でも支持者からのメールでの応援は禁止されているが、SNSによる応援は許されている。
しかし、自動的に何百万人にも発信する機能を使って、相手陣営を攻撃する偽の情報も簡単に流すことが出来れば、選挙誘導は簡単に出来る。
SNSユーザーの20%は、「SNSで目にした情報によって社会的または政治的な問題に対する立場を変えた」と言われている。
自分の意志で政治家を選んでいるつもりが、巧妙に仕組まれた情報によって特定の人を選ばされているとすれば、民主主義の崩壊につながる。
どんどん新しい仕組みが出来てくる現状では、それを利用したものが勝利者となり、旧来のやり方を踏襲したものは敗れ去る。
困った現状だが、雰囲気に流されず、真実をきちんと把握したうえで、あるべき姿を議論して行くようにしたいものだ。

忖度

コトバンク(大辞林 第三版)によると、忖度(そんたく)とは、「他人の気持ちをおしはかること。推察」とされている。
上司が直接的には言わないが、状況から判断してこうして欲しいのだろうなと、本音を推し量って行動することは、日本のあたりまえの風習であり、ある意味の美徳とされてきた行動だと思う。

ところがその常識は日本ガラパゴスの常識であり、外国の人に理解して頂くのは困難なようだ。
記者会見で忖度を次のように説明されているようだ。
When he said he was doing “sontaku”, that something done by people around him, and not by Abe. “Sontaku” is not a word that you use by yourself. When you say “sontaku,” Abe is probably, people around, or you know, people who are underlings of Abe.
「忖度」という言葉で表現しようとしたのは、安倍首相によってではなく、安倍首相の周りにいる人々が、何らかの手を加えたということです。「忖度」というのは自分自身で何かするという時に使われる言葉ではなく、安倍首相の周囲の人間、もしくは子分の人間が何かしたという意味になります。

Just to add as an interpreter’s note, the word “sontaku” is leading to some confusion in the English translation. There are several different ways to say this; whether it’s “conjecture” or “surmise,” “reading between the lines,” “reading what someone is implying.” So there is not one direct word in English which is what lead to this, just to add some information.
通訳からの情報として付け加えますが、「忖度」という言葉が英語通訳で少々混乱を招いているようです。何通りかの言い方がありますが、「conjecture(推測)」「surmise(推測する)」「reading between the lines(行間を読む)」「reading what someone is implying(誰かが暗示していることを汲み取る)」などがそれに当たります。英語で「忖度」を直接言い換える言葉はありません。念のため申し上げました。

Aの本音を忖度してBがCに違法な事を指示した場合、もちろん罪に問われるのはAではなくBだが、それをトカゲのしっぽ切とも言う。
今までの日本文化では当然の行為だが、自分の身を守るためにも、忖度して違法な事をやらないように、日本の文化や風習を変えていかなければならない。

ところで、今回の森友学園や加計学園の問題では、何が違法なのか今ひとつ分からない。
獣医学部の新設が数十年ぶりで、他にも申請した所があったが認められなかった、というが、巷の情勢変化を判断して数十年ぶりに対応を変えるのは当然の事であり、他の申請は要件を満たしていなかったから却下されたと聞く。
野党は忖度を追求して貴重な国会審議時間を浪費するのではなく、何が違法だったのかをもっと明確にする必要があるのではないだろうか。

インフルエンザ

情けないことにインフルエンザに罹患してしまいました。
のどが痛くなり微熱もあったので早く休み、次の日にある人と電話していていたら、「それはインフルエンザの検査をした方がよい」と言われて病院に行ったところ、見事にA型と診断され、別室に連れて行かれました。
それからは、39度の熱、頭痛、鼻水、下痢、倦怠感とあらゆる症状が襲います。
病院では「インフルエンザに効く薬はない」と言われ、症状が悪化することの無いよう薬を吸入しただけで、治療薬は渡されません。
家庭の中でも個室に閉じこもり、ひたすら自力で回復するのを待つだけです。
発熱から4日目で、ようやく平熱に戻り、それから2日も自宅待機、今日ようやく禁足が解けます。
どこで拾ってきたかわかりませんが、皆さんもどうぞうがいと手洗いとマスクで予防ください。

さて、今回重大なミスがあります。
①何十年と予防注射をしてきたのですが、しても効果がないといったネットでの書き込みを見て、今期はしませんでした。
リスクはいつ発生するかわかりません。ウイルスは虎視眈々と隙間を狙ってくるのです。

②自分からは医者での検査を受けようとしていなかった。
のどの痛みから来た微熱だと思っていましたから、医者に行くつもりはありませんでした。行っても「インフルの検査をしてください。」と申告したから検査しましたが、言わなかったらその日は見過ごしていたかもしれません。
人に会うスケジュールが立て込んでいましたので、多くの人にウイルスをばらまいていたことでしょう。

インフルエンザ菌は何を目的に頑張るのでしょうか。
それは、人間も含めたどの生物の目的と同じく、「自己組織の増殖」でしょう。
よく、「風邪は他人に移せば治る」などと、酷いことが信じられていますが、ウイルスの目的は大いに達せられるわけです。
ウイルスは、空気中を含めてどこにでもいます。ぜひ、しっかりと対策して防いでいきましょう。

最後に蛇足ですが、企業活動にたとえてみます。
①予防注射  組織内への警告を発し、予防体制を作る。
②マスク装着 外部からの侵入をシャットアウトする
③うがいと手洗い それでも侵入してきたモノを排除する
④隔離     他組織への影響を排除する
⑤安静     自己治癒能力の向上により影響を抑え込む

ご迷惑をおかけした皆様にこの場を借りてお詫び申し上げます。

蔓延る(はびこる)

明けましておめでとうございます。
富山ではなんと雪のない正月を迎えています。
昨年もそうだったので、温暖化が加速しているという事なのでしょうか。
過ごしやすいのはうれしいのですが、雑草が繁茂して、その勢いに驚かされます。
芝生の横の空き地のグランドカバーとしてクローバーの種をまいたのですが、芝生の場所が日当たりが良いせいか、どんどん侵食してきます。
クローバーを抜いて、しばらくすると別の雑草がはびこって来ます。
絶対的な解決策としては、空き地をコンクリートで覆うしかないのですが、それでは芝生も楽しめません。

これって人間社会と同じですね。
順法と違法は紙一重だけれど、違法の方が儲けが大きい。
例えば、アメリカが禁酒法の時に、メキシコで酒を売るより、アメリカで売った方がはるかに利益率が高いので、アメリカにマフィアがはびこる。
目立つマフィアを逮捕すると、その地盤を狙っていた別のマフィアが台頭してくる。
全ての飲料を販売禁止にすれば酒の違法販売もすぐ見つかるので根絶できるかもしれないけれど、通常の人間生活にも大きな支障となってしまう。
結局は、少々の悪を許容した状態でバランスをとらざるを得ない。

しかし、芝生は人間に守られて育っているため、伸びるのも遅いし、雑草を抜いたり、肥料をやったり、適度に芝刈りをしてやらなければなりません。
その点、雑草は競争で生き残っているため、伸びる速度は速いし、肥料も必要ないし、抜いても抜いても繁茂してきます。
芝生を守るためにクローバーを抜き続けなければいけないっていうのは、人間のわがままからなのでしょうね。

異文化・異制度対応と「おもてなし」

三菱重工は大型客船事業の赤字によって1800億円もの巨額特損を計上しました。
三度の火災が発生、設計変更などなどの理由は多々あるようだが、日経オンラインでは数千人もの外国人対応の失敗を指摘しています。

「夏に半袖半ズボンで働く、禁煙の場所でタバコを吸う、散らかしたゴミを片付けないなどがいたるところで目に付いた。しかし、喫煙所のルールが徹底されたのは今年初めのボヤ騒ぎの後。休憩やゴミの扱いに至っては、引き渡しまで直らなかった。」とあります。
かつてメーカーの人と話した時に、機器の据え付けを指導にカナダに行ったときに、時間があったので片付けや掃除をしたら大きな問題になった。掃除をする立場の人の職を奪うというのです。
日本人は皆で協力して仕事をこなすが、外国では分担して作業を行い、他人の仕事には口も手も出さない。といった文化や制度の違いを理解したうえで外国人対応をする必要があります。

日経オンラインでは次の意見も出ています。日本人の対応も変えていかなければいけない、という事なのでしょう。
・ポルトガル人技能者;日本人は意思決定に時間がかかりすぎだ」と憤る。現場で判断を仰いでも、すぐに答えが返ってこないため、作業を進められないことが何度もあった。
・クロアチア人技能者;日本人は英語を話す人が少ないから、通訳を介さないといけない。手間がかかってしょうがない
・インドネシア技能実習生;遅刻に厳しく、残業も多いのでとても疲れる

日本では、外国人は日本のおもてなしにあこがれており、日本に来たら日本の文化・制度に従って楽しんでほしい、と思っています。
しかし、デービド・アトキンソンの「新・観光立国論」によると、東京五輪招致の滝川クリステルの「お・も・て・な・し」にとても違和感を感じた、と書いてあります。
彼女は「お・も・て・な・し」と一文字ずつ区切って強調したうえで合掌しましたが、あのような話し方は欧米人にとって見下した態度と取られる、というのです。
また、日本のおもてなしは、平均的日本人に対しての対応であって、多様性に富んだ文化やリクエストに対して、対応されていないと指摘しています。
例えば、世界で高級ホテルと言えば、1泊400万円~900万円と言う価格帯の所を言う。と書いてありますが、とすれば舛添さんの泊まったホテルの価格など、大したことはありませんね。(私にとっては超々高級レベルではありますが)

今後日本は人口減少に伴って外国人技能者を多く使っていかなかければならないとすれば、日本ガラパゴスの文化や制度を押し付けるのではなく、異文化や異制度に対応した多様性に富んだ取り組みが欠かせないのでしょう。

経営はロマンだ。

「理念と戦略の経営学」水谷内徹也、内田康郎著を読む。
理念と戦略の経営学

経営理念が戦略を生み、バリューを創造する。
その実例として、Jhonson & Jhonson の「我が信条」、客単価より来店客数を重視する焼き鳥の名門秋吉、市場ニーズから液晶を開発したシャープ、整備工場による販売でトップシェアを続けるスズキ自動車などを紹介している。
また価値創造のためには価格や技術が良いだけでは市場が確保できず、国際標準化していく事で信用力と永続性を得る実例として、デンソーのQRコード、日立のRFID戦略を紹介している。
しかし、その根底として求められるのは経営者の高い倫理性であり、コンプライアンス経営についても述べられ、企業活動の成果を①経済的業績、②環境的業績、③社会的業績から評価すべきとの知見は、ぜひガバナンスコードにも採用して頂きたい。
ヤマト運輸小倉元会長のビジネス・マインドも紹介されているが、「経営はロマンである。だから経営は楽しい。目標を決めて方法を考え、実行する。この間の緊張感は堪らない。」と語り、経営者が備えるべき要件として、①論理的思考、②時代の風を読む、③戦略的思考、④攻めの経営、⑤自立の精神、⑥政治家に頼らない自助努力あるのみ、⑦マスコミとの良い関係、⑧明るい性格、⑨身銭を切る、⑩高い倫理観を挙げている。
利益でなく、ロマンを追求した経営が求められる。

コンパス

コンパス(方位磁石)のN極は北を示している。はずですが、実は周りの金属に磁界が捻じ曲げられて、誤差が生じます。
水は流れやすい所を通るように、磁界も鉄など流れやすい所を通りたがるためです。
ですからケルビンボールという鉄玉で、補正をします。
小1
では、補正をするために、真北をどうやって知るのか。
現在ではGPSによって、自分のいる場所も方位もデジタルで知る事が出来ますが、それが分からない時代は、いろいろな場所で測定してその平均値をとったのではないかと思います。

会社も同じかなーと思ったりします。
目標を定めて、それに向かう方向性を決めて取り組みますが、会社特有の文化やいろいろな雑音によって、指針とすべき尺度が捻じ曲げられます。
ですから、会社を離れていろいろな意見を聞いたり、社会の常識を調べることにより、あるべき方向性を客観的に調べます。
社外役員の採用もその為ですね。

しかーーし、実は、地球の地軸(回転軸)は磁極と15度ほどずれており、遠い将来にはN極とS極が逆転すると言われています。
その変わり際の時は、磁界が弱くなって、磁気シールドで守られていた地球が、宇宙からの非常に強い紫外線や宇宙線の脅威にさらされるとか。
社会の規範も、昔は当たり前に行われていたことが、とんでもない犯罪になったりします。
磁極も社会の善悪も、絶対というものはなく、標準や規範も時代とともに変わり、それを睨んで対応して行かなければいけないという事なのでしょうか。

コンビニ人間

今年の芥川賞受賞作である村田沙耶香の「コンビニ人間」を読んだ。

古倉恵子は、子供の頃に、周りで喧嘩が始まって「誰か喧嘩を止めろ」と言われると、喧嘩している子供をスコップで思いっきり叩いて止めさせるなど、周囲から「変わった子」と思われていた。
 公園で小鳥が死んでいると、子供たちは皆泣いてお墓を作ろうといったが、恵子は「お父さんが焼き鳥が好きだから、持って帰って食べよう」と言った。 《きわめて直観的合理的な考え方をする子供だった。》
 しかし、自らの言動や行動が周囲を困惑させてしまうため、恵子は黙っていたり、言われたことをするだけにするようなった。
大きくなって、恵子は、コンビニのバイトに出会い、マニュアルで全て行動する仕事を天職と感じるようになり、大学時代から18年コンビニで働き続け、話し方も服装も皆に合わせるようにすることで、異質な自分を出さないように心掛けていた。
 しかし、就職も恋愛もせずに36歳となった恵子のことを、周囲は再び奇異に感じるようになる。
恵子は社会から排除されないように、同じく社会と同化出来ない白羽と偽装同棲することによって、恋愛をしないことへの言い訳を手に入れる。・・・・

日本社会では、皆同じ思考であることが求められます。
女子高校生は制服を着て、同じ髪形、同じシャンプーを使って、皆と同化しようとします。
男子学生も長髪が流行れば皆髪を伸ばし、就活が始まると、全員紺スーツに身を固めます。
社会人も会社の風土に溶け込むことを要求され、トップの考えや意向に従って同じ方向性で努力することが求められ、出る杭は打たれて丸くなり、特徴のない平均値社会が構成されて、平和が保たれてきたわけです。
しかし、それでよいのか、平均値社会で日本は生き残れるのか。
異質な個性を活かすことで、社会も会社もダイナミックな動きが出来てくるのではないか。
この小説は、異質なものを排除する日本社会に対する警告に感じたのは、私自身が異質だからでしょうか。

富山市議会 12人が政務活動費不正受給による辞職

何という体たらく
富山市民として恥ずかしく、各地から富山市議会はどうなっているのだ、とお叱りを受ける。

富山市議会のここ一年の動きから報告しよう。

2003年に引下げられた議員報酬が大幅にアップされた。
十数年間も改訂されていないそうだが、それでもここ何十年もベースアップが抑えられてきた大衆からすると、10%以上の驚くべき増額であり、世論調査では80%が反対していた。
新聞記者が議員に質問すると、なんと答えないばかりか質問した女性記者を突き飛ばしてけがをさせる始末。
新聞社は増額に対して反対キャンペーンを張ったが、ほとんど議論されずに、6月15日に提案どおり増額が決定した。

4月11日 市田議長から森市長に議員報酬の引き上げについて検討するよう求め、市長は「市特別職報酬等審議会」に諮問した
4月11日 自民、公明、民生クラブの2会派が、月60万円から70~73万円への増額案を取りまとめ。
増額する理由
・2003年に62万円から60万円に引き下げられた。
・2011年には議員年金が廃止された。
・議員は4年ごとに選挙があり、仕事を辞めてまで市議になろうという人はなかなかいない。
・税金や健康保険料などを引かれるので、ボーナスを含めても手取りは月40万円ほど。
・ここから政治活動の費用も出すので、生活は決して楽ではない。
(政務活動費は一人当たり月15万円)
5月20日 有識者8人からなる市特別職報酬等審議会が、10万円の報酬増を答申。
6月9日 自民党の中川勇会長が、自民党会派控室で市議に議員報酬について話を聞いていた新聞社女性記者を押し倒し、メモ用紙を奪うなど取材妨害
6月13日 富山市議会総務文教委員会で議員報酬を引き上げる条例改正案を賛成多数で可決。
6月15日 富山市議会本会議で、議員報酬を月額60万円を10万円上げる条例案が可決。

新聞社が、現在の報酬や手当が不足しているとすれば、実態を調べよう、と政務活動費を調査した所、実施されていない市政報告会や購入されていない備品が続々と出てきた。
議長を含め、自民党から10人、民進党から2人が辞任することになった。

6月16日 富山市議会の定数を来年4月改選時に、40から38とする定数条例改正案を可決
7月1日 富山市議に夏のボーナス130万5千円
8月20日 北日本新聞社の取材で、中川勇氏の政務活動費の報告に誤りがある事が報道
8月28日 中川勇(自民会派会長)政務活動費の着服を認め、辞任「やめて老後の生活をどうするか心配になった。このままじゃだめだと思った。」
9月9日 村山栄一(自民) 「罪の意識はあったが、経費が掛かりお金が必要だった。軽率だった。」
9月12日 岡本保(自民)「便宜上(領収書を)1枚にまとめた方が分かり易いと思った。」
9月14日 針山常喜(自民)「経済的に楽になると思った。」
9月15日 高田一郎(民進)「不正だと頭の片隅にはあったが、手口は知らなかった。血税を使っており本当に申し訳ない。」
9月15日 針山常喜(民進)「選挙に使うためプールしていた。」
9月15日 浅名長左エ門(自民)「気が付かないです。いろいろなことやってるから。本当に活動しすぎるとダメなんやね。」
9月20日 藤井清則(自民)「一連の不正は勘違いによるものと…この世界はそういうものなのかぐらいの間隔でしかなかった。」
9月20日 谷口寿一(自民)「人付き合いが増え、遊ぶ金が必要だった。」
9月20日 市田龍一 議長 「議員活動の中に紛れ込んでしまった。」
9月28日 岡村耕造(自民)「はっきり覚えてないんです。本当に覚えがない」
9月29日 丸山治久(自民、元副議長)「前半は市政報告会だったので、(会場費や人数を水増しした領収書を作らせて政活費として)請求してもいいと思った。選挙資金として蓄えていた。」
10月3日 浦田邦明(自民)「あくまで不適切な処理。連日の報道で家族に心身の負担をかけているため辞職」

不正はどうして発生したのでしょうか
《動機・プレッシャー》
・毎月15万円が議員口座に支払われ、議員は支払った領収書を出す仕組みらしいが、先にもらってしまうと、「何としても領収書を作って返したくない」と思うのはしょうがない人間の性ではないでしょうか。
・飲み代が足りない。選挙費用が足りない。・・・
《機会》
次の行為によって領収書を作ることができる。
・白紙領収書を用いた架空請求
・プリンタ印刷などで領収書偽造による架空請求
・受領した領収書の支払い額の改竄による水増し請求
《姿勢・正当化》
・他の議員もやっている。
・先にもらっているので、領収書を作らなければいけない。

地に落ちた信頼を取り戻すのは容易なことではない。
議員という尊敬し模範とすべき立場の人たちが不祥事を起こしているようでは、子供たちに何を目指していくべきと教える事が出来ない。
議員は自分のためではなく、あくまでも社会のために、自分をなげうって行動することが求められるが、社会のヒエラルキーが崩壊した現状では求めることが無理なのだろうか。
残念だが、罰則で縛るしかないとすれば、改革は次が考えられる。
《制度改革》
・先払いとなっている政務活動費を後払いして、支払実態のある領収書、しかも政務活動費としてふさわしいものにだけ支払う仕組みに変える。
・葬式などへの議員からの電報を禁止するなど、必要費用の圧縮を行う。
《透明性確保》
・支払先にチェックする。
・政務活動費の内容を公開する。
・議会の透明性と中身の向上のため、議事をネットなどで公開する。
 見られている、後で確認される、という事が分かっていれば、不正はしなくなるとともに、意識とレベルの向上も期待できます。
《倫理観を高める》
・議員辞職で済ますのではなく、詐欺などの犯罪行為として処罰する。
・議員だけでなく、白紙の領収書を渡す企業の姿勢、社会全体の姿勢も変えなければいけない。

さて、12人の辞任(+欠員1名)を受けて13名の補欠選挙が行われる。10月30日告示、11月6日投開票
巷では欠員のままで良いのだはないか、という声が大だが、7人以上の欠員が出た場合は選挙するという条例になっているので、せざるを得ないようだ。
その選挙費用が1億円掛かるそうだが、辞任した12人に求めたいものだ。
ぜひ、あの富山市議会が、こんなに透明性が高く、議論も的確に行われて、素晴らしく変身した、と言われるように改革されることを、期待したい。

プロフィール

新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
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なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
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