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会社法8 第5回法制審議会-1

9月29日に第5回の法制部会が開催され、「監査・監督委員会設置会社制度」について議論されている。
事務局からは、監査監督委員会を前提に次の資料説明があったが、そこまでに至らず、ガバナンスのあり方論が協議され、制度新設の是非は決まっていないようだ。

部会資料「企業統治の在り方に関する検討事項(2)」
① 監査・監督委員会の経営者からの独立性を確保するための仕組みの在り方
② 監査・監督委員会の権限等の在り方

議事の超概略
(経産省)上場企業の98%は,監査役会設置会社です。その監査役会設置会社においては,監査役会とは別に監査委員会を3割の企業が設置しています。監査役が非業務執行の取締役を兼ねることができるようにするような制度設計の変更によって,実態に即した形で監督機能を強化し,充実していくことを考えるべき
現在の制度は変えずに権限・名称だけ変える
(東証)。現在の監査役会がこのままこの監査・監督委員会に移行したと仮定しますと,その場合には,取締役会に少なくとも2名の社外取締役が存在するという形になるわけで,これであれば,余り会社にとっても無理がありませんし,投資家の要望にもかなりの部分で応えることができるのではないか
そうですか、東証も説明し易くすればよいと言う思いですか
(日立)この提案自体がコーポレート・ガバナンスの組合せの一つになるということに関しては前向きに考えつつ,実務上の課題,選択肢となり得るための条件ということについては,更なる検討を,時間を掛けて進めていきたい
経団連は大賛成かと思っていましたが少し引き気味のようです
(築舘会長)実際に各企業がどのくらい今回の提案に魅力を感じるのか,乗ってくる可能性があるのかという辺りを,当たりを付け,可能性を現実問題として少し探りながら行くことが望ましい
確かに、執行しないから独立性が保たれると言う思いの監査役は多いようです。
(京大前田)監査・監督委員会に指名委員会,報酬委員会の機能を一部代替させるという,取締役会全体の独立性を高める何らかの工夫が重要。余り利用が期待されないのであれば,会社法の下ではただでさえ機関設計は随分ややこしくなっておりますので,これ以上複雑にするのは賢明ではない
監査委員会に指名・報酬委員会の責任も来ると、さらにさらに重くなりますね。
(同志社大伊藤)取締役会の専決決議事項の範囲を議論すべき
ここから、まず基本から考えましょうと言う根本に戻りました。
(東大藤田)三委員会を置いて,独立性の高いボードらしきものを作るというのが,委員会設置会社の基本思想。二つの委員会を省略する代わりに権限委譲を制約するといったバランス論は非常に違和感があります。むしろ正式に意思決定に関与し投票権を持つような人がモニターしたほうが,かえって実効性があるのだといったことを正面から言う必要があるのだと思います。
今まで求められていた独立性と真っ向から違う視点です。
(東大田中)この20年の経験の中で,現在の企業パフォーマンスの悪さは,もしかすると,例えば会社法が足かせをはめていたということよりは,根本的に日本企業のガバナンス構造に問題があるのではないか。
ガバナンスが向上すればパフォーマンスが向上すると言うのは???
現在の監査役が取締役会で一票を持つという形の制度になると,多くの国外の投資家は,その一点だけでガバナンス機能の強化になっているという評価になるのではないか。
先ほどと同じく、決定権がないから独立しているのか、あるからガバナンス機能があるのか
(弁護士)監査役会設置会社制度という,約98%の上場会社が選択している制度よりも,少なくとも同等又はそれ以上の監督機能がこれによって期待できるのかの検証が,導入に当たり必要。自己監査という問題が恐らく付きまとう。
監査・監督委員会制度が,社外取締役のみで構成されるとしたら,あるいは恐らく非常勤というか,非業務執行者のような方と社外取締役で構成される形になっているとしたら,社内のことがよく分からずに取締役会の前後だけ会社に行くとなると,常勤者がいない,そうすると,今の監査役会制度よりも監査機能の点で劣ることが起こる
常勤監査役と社外監査役のバランスが必要だと思います。
(東大神作)単純に社外取締役の設置を一定の範囲の株式会社に義務付けるという線も残していただければ。社外取締役に機能してもらうためには,取締役会を軽くすると言いますか,取締役会の負担を減らして業務執行に関する文字どおり重大な決定に集中しないと,社外取締役の監督機能を存分に発揮してもらうことは余り期待できないのではないか
社外取締役の義務付け?
(早稲田大上村)この議論は,一見すると非常にオプションが増えてという話に聞こえますけれども,恐らく,機関が一本化していくプロセス。基本的な概念そのものをきちっと見直して,望ましい機関を構築すべき
(京大斉藤)日本の上場会社の経営者の選任の在り方というのは,特に外国の方から見ますと,ごく一部の人の手に握られている。社外取締役の登用を,ある程度,法で後押しいたしますと,人材の流動化が促進される可能性があるのではないか。
(中央大野村),本来ならば執行と監督を分離するというコンセプトでありながら,現行法はそうなっていません
(日立)コーポレート・ガバナンスの善し悪しと企業のパフォーマンスの相関は見られません。社内の事情に通じていない方々だけで監査・監督をした場合に有効性なり実質性が担保できるのか
(東大神田)現在,会社で社外監査役として務めておられる方が社外独立取締役になるということも含まれているのではないかと私は認識します。そこで,厳密にいえば前回のテーマになってしまうのですが,会社は定款で監査役が取締役会に出席をし,かつ取締役と同等の議決権を行使することができると定めることができるという選択肢を認めてはどうかと思います。
はてさて、まだまだ議論は尽きないようです。
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会社法-6 第4回会社法制部会-1

8月25日に第4回会社法制部会が開催され、次が審議された。
1 第1回から第3回までの論点整理と当面のスケジュール
2 (1) 監査役の監査機能;監査役の権限,監査の実効性を確保する仕組み,会計監査人の選解任等に関する議案等及び報酬等の決定
(2) 取締役会の監督機能;社外取締役の選任義務付け,社外取締役の要件見直し

部会資料2 企業統治の在り方に関する検討事項(1)
第1 監査役の監査機能に関する検討事項
1 監査役の権限

(京都大学前田教授)代表取締役の選定・解職決議について監査役に議決権行使させることは,監査役が業務執行の決定に関与するということになり,監査役制度の本質に反する。取締役解任の訴えの提起権を監査役に与えるということは,十分検討に値する。
(東証 静)経営者の暴走を止める機能は、社外取締役に期待するしかない
(経産省奈須野)監査役が非業務執行の取締役を兼ねることができる仕組みを選択できる仕組みを導入すべき。現行の監査役の制度と,さほど劇的に大きな違いがなく、実態に合った仕組み
(日立八丁地)現在の監査役の権限について,現行の法制で特に不足をしているという立法事実はない。
(中央大学野村教授)代表取締役の選定及び解職は業務執行権限を有すべき取締役たちによって担われていくべき
(早稲田上村教授)監査役という名前を残したまま取締役会の構成員にして,監査意見についても整理して,任期も取締役と同じにするというような方向性も考えられる
(日監協築舘会長)日本の監査役制度がきちんと機能しているという状況認識をするかどうかが出発点になる
(名古屋大学中東教授)やれる会社は今ある制度で十分にできている。やれない会社はこのような権限を付したところで,何も変わらないのでは
→先生の御言葉は身にしみます。
(連合逢見)現行の監査役制度では監査機能が十分発揮されていない。代表取締役の選定は,そこまで関与しなくてもいいと思いますが,解職,それから取締役解任の訴えという権限は付与すべき
(同志社伊藤教授)監査役の機能として、コストに見合っただけの不祥事の削減率といいますか,そういうものが達成していればいいという話なのではないかと思います。代表取締役の選定・解職権はいらない
(京都大学斉藤教授)現在の監査役制度で機能している会社もあれば,そうではない会社もある。監査役に選定・解職の権限を与えたからといって,急に何か大きく変わるというものではない
(東京大学藤田教授)現行の監査役の枠組みの中で,監査役に解任権を与えることについて違和感がある
(三原弁護士)代表取締役の解任権が監査役にあるという形になると,会社が非常に混乱する(岩原部会長)代表取締役の選定あるいは解職に関する権限を監査役に与えるということは,監査役制度の本来的な性格からは,やや違和感があるのではないかという御意見が多かった

2 監査の実効性を確保するための仕組み
(名古屋中東教授)監査制度の趣旨が実践されていない会社を言わば底上げするための法の整備は必要。事業報告のに監査役の監査費用についての方針等について,記載させるなど
(経産省奈須野)良いことだからといって一律に義務付けるということは慎重な検討が必要。内部統制委員会とか,コンプライアンス委員会とか,監査委員会類似の仕組みを約3割の企業が導入し、監査役とは別途の監査体制の整備が進められ,企業に過大な負担。監査役が非業務執行の取締役を兼任することができれば,そういった内部統制部門との連携がスムーズに図られて,企業にとってみれば,体制を効率化しつつ実効性を高めることができるというような効果もある
(中央大学野村教授)非業務執行の取締役を兼ねないと監査役は内部監査部門と連携できないのか。監査役が内部監査部門の情報収集能力をうまく活用する形でその監査機能を高めるという方向を議論の本筋に据えて,それを大き
な幹にしていくような形で議論するのがよい
(京都前田教授)監査役は経営陣側がつくった内部統制システムと連携しなければ,自分だけで行う監査,あるいは自分のスタッフだけで行う監査では,実効的な監査は期待できない
(京都斉藤教授)機能の重複,他方では監査役のために働く人材不足が指摘される
(早稲田上村教授)監査役こそ会社法一般について意見を述べるべき。会計監査人の監査の結果の相当性意見はやめた方がいい
(東京神田教授)監査される人がつくったものに全部依存するのは限界がある。監査役の指揮命令に服するようなスタッフなり,体制なりの設置を確保するということが,検討されてしかるべき
(日立八丁地副社長)監査・監督機能の充実強化を図るということであれば,現行の法制に対して改正を加えることに関して,現場としては,立法事実はない
(日監協築舘会長)運用状況について触れることも何らかの制度化が望ましい。法律に決められていないことはむしろ触れないほうが,余計な責任が及ばなくていいということになるんだから,無理に触れなくてもいいんだよというようなアドバイスをする方もいらっしゃる。ここはもうちょっと引き締めていくためにも,何らかの一歩踏み込んだ御検討を頂ければと思います。
→会長は現状の監査役に対して「適法性だけ見ればよいのか」と叱咤激励をされていますね。
(三原弁護士)監査報酬を事業報告の中に記載すると株主を通じたモニタリングが出来る。
(岩原部会長)現在の監査役設置会社の下における内部統制等についての監査役による監査の実効性を上げる必要がある,より良くすべきだという点については,恐らく皆様御異論のないところ

従業員選出監査役
(連合)不祥事の情報が従業員から上がるルートとして、内部通報、公益通報者保護制度、監査役があるが、どれも従業員から信頼されず、従業員選出監査役が望ましい
(中央野村教授)従業員の方がなかなか声を上げにくいという問題については、内部統制システムの一項目として内部告発を容易にするための体制の構築を要求し,その中身は会社ごとに考えさせるというルールを作ることは可能。仮に声を上げたとしても,それを受け止めてしっかりと改善につなげる者が役員の中にいないという問題については社外監査役というのが正にその役を担えるもの。従業員選出監査役の制度に帰着することにはならない。
(三原弁護士)従業員は代表取締役の補助執行者であるために,その監査をする者が監査される者の代表という関係になるとすると,これもねじれ問題になってしまう
→確かに従業員が監査役になったとして経営+従業員の執行状況を監査するのはインセンティブのねじれですね。

3 会計監査人の選解任等に関する議案等及び報酬等の決定権を監査役に付与することの当否
(金融庁古澤課長)「同意権を有するから大丈夫ではないか」という議論については,今の制度が不十分とのスター
トラインと異なる。現在,会計監査人の選任に関しましては,それなりの数の直接の利害対立が見られる。監査役と会計監査人が連携して監査の実を高めていく枠組みを制度的に確保していくという観点からも大切。
(東京田中教授)同意権と提案権があれば,それはもう決定権と実質変わらない。その権限を実効的に行使できない状況があるとすると,それはやはり法律の問題というよりは事実の問題。決定権を与えるのは業務執行だという議論は、そうすることによって監査役が実効的に権限を行使できるかという観点から判断すべきで,制度的に報酬の決定は業務執行だからできない,というような類の問題ではない。
(日立)このインセンティブのねじれとして議論されている問題も,監査役が持っている権能を,会計監査人と連携しながら十分発揮して,利益相反のリスクを排除するということは可能になっている
(日監協)仮に監査役の同意権から決定権ということになっていったときには,全く自分の独断で目をつぶって決めるということはまずはないはずで,会計監査人の監査計画を聴き,そして経理部門の意見を聴き,そして判断をしていくということになりますので,私は監査役というのはそれなりに合理的な判断ができる立場にあるし,心構えもあるのではないかと,そんなふうに思っています。
(早稲田上村教授)代表取締役の選任権をよこせ,解任の訴えもよこせ、会計監査人の選任の決定権もよこせと言って,任期は4年だと言う。監査役の横暴をチェックするための第二監査役が必要なのではないか
(名古屋中東教授)会計監査人に対する報酬は監査費用だとすると、期中で監査役が何かイレギュラーなことを発見した場合に,追加してその会社の会計監査人に何かやってもらいたいということになったときに,別にこれを執行部が決めなくてもそのままやってもらって,監査費用として会社に払わせればよい。最初から監査役が会計監査人の報酬を全部決めるのがいいという考えもあり得る。
(日監協)経理部門とそれから会計監査人が,当該年度の会計監査計画の策定のために,どういうことを重点にしながら,どういうスケジュールでやっていくかという計画を詰めていきます。その過程で何度も何度もすり合わせがあるわけです。どれだけの人数と時間が投入されて,どういうランクの人たちが投入されるかということも決まった上で会計監査計画が仕上がり,それに基づいて年度の監査報酬が決まるということになります。
それが,経営執行部から監査役のほうに回ってきまして,議論した上で同意をするという流れになっていると思います。中東幹事がおっしゃられた何かイベントが起きて,事件があって,追加的に年度の途中で調査する必要が生じたときにどうなるのかということですが,それはだれに調査してもらうかということから始まりますが,仮に同じ会計監査人に調査してもらおうというときには,年度の計画にオンされる業務ですから,当然,そのための費用
が発生しますし,支払わなければいけない。その場合には,会社法の建て付けですと,監査役が必要と思う調査については,それを執行部に請求することができる。
→監査役が自分の財布から会計監査費用を支払うとすれば、自ずから真剣になりますね。非常に要求レベルの高いご提案です。

会社法-5 会計監査人の選任&報酬の決定について(私見)

会計監査人の選任及び報酬について、監査役に同意権ではなく決定権を与えるべきに対し、

日本経団連     必要 3% 不要 97%
日本監査役協会   〃 30% 〃  70%
日本公認会計士協会 〃 43% 〃  46%
と、面白いアンケート結果が出ています。

同意権のときの決まり方を想像すると
会計士「今年はIFRSの見直しなどがあり監査日数も報酬も5割アップでお願いします。」
会社 「会計監査も3年目になって省略しても良いところもあるので、日数も報酬も昨年並みでお願いします」
会計士「しょうがないですね。では監査項目を見直して昨年並みとしましょうか。」
・・・
会社 「監査役さん、会計士の報酬は昨年並みといたしますがよろしいですね。」
監査役「会計士にも確認します」
・・・
監査役「監査項目と監査品質に問題ありませんね。」
会計士「新しい項目が出てきますが、効率的な監査を行うことで問題ありません」

それが決定権になると
会計士「今年はIFRSの見直しなどがあり監査日数も報酬も5割アップでお願いします。」
監査役「監査項目と監査品質に問題ありませんね。」
会計士「そう言われると、昨年までは予算を抑えられましたが、アメリカ並みに監査させて頂くともっと監査品質を上げることが出来ますが。」
監査役「それでは10倍になってしまう。昨年の会計監査の品質に問題はなかったので、5割アップのご提案でお願いしますよ。」

というような違いになるのでしょうか。
監査役と会計士とは監査品質を上げると言う同じベクトルにあるので、監査報酬の交渉・決定を監査役が行うべきではないと思います。
ただ、監査品質が満足できない状況だと判断したときに、毅然と不同意を行う気構えと、そこに至る情報の収集は必然です。
監査役のベストプラクティスに示されたプロセスを適確に実行することが大切だと思います。
・事前の情報収集・報告聴取
・会計監査人の「監査計画」の内容の適切性・妥当性の主体的検討
・会計監査人の「報酬見積もり」の算定根拠の適切性・妥当性の検討
・同意プロセスの確立と書面の作成
・事業年度を通じた会計監査人との緊密な連携の保持

なお、現状において、会計監査人とのスケジュールに問題がないとはいえません。
数社のスケジュールをお聞きすると、
4月 会計監査人の職務の遂行に関しての説明をヒアリング
5月 年度末監査実施状況の説明をヒアリング
6月 株主総会で会計監査人の状況(再任、前年度報酬)を報告
7月 監査計画、四半期レビューをヒアリング
7~9月 監査報酬算定根拠をヒアリング&同意
となっているようですが、再任を決定後に監査計画と報酬を決めています。
監査計画と報酬が合意されず他の会計監査人を選任するなんて場合は、臨時株主総会を開催が必要となり、適切性・妥当性判断に大きな圧力がかかります。
再任決定の前か同時に、監査計画と報酬を決定すべきではないでしょうか。

会社法-4 第3回会社法制部会

6月23日に第3回会社法制部会が開催され、日監協の提案についても非常に活発に審議された。

参考資料10コーポレート・ガバナンス向上に向けた上場制度の整備について(東京証券取引所執行役員静正樹委員)
・第三者割当てにおける少数株主の権利保護
・独立役員の権限あるいは責任の明確化
→東証の規則改正は金融庁の法律改正案を先行実施し既成事実化?

参考資料11今後の企業法制の在り方について(経産省経産局産業組織課長 奈須野太幹事)
・我が国「成長戦略」の一環として国際競争力強化や資本市場活性化に資する所要の見直しがなされるべき。
・企業の組織再編・M&Aの支援・・自社株対価TOBの利用促進、商事・金融高等裁判所(仮称)の創設、他
・グループ総合力を生かした経営の推進・・グループ配当金、親会社監査役が子会社を監査、法人選任取締役他
・ガバナンス向上による「変化対応力」強化・・従業員選任役員制度、合同監査委員会設置会社、他
→エー!経産省も従業員選出監査役を提案しているのかと思ったが、「労働団体から導入が要望されているところ、その是非を検討する。一律な義務づけには慎重な検討が必要と考える。」とあり、少し安心
Q法政大学荒谷教授
 監査役と取締役の兼任を認め合同監査委員会を設置するということになりますと,執行機能と監督機能の分離・分掌という観点から見ると,私自身,この制度をイメージし,理解することが難しい
A 全員が非業務執行の取締役を兼ねる。イメージとしては取締役としての権限を付与するのに近い
Q(三原弁護士)法人選任取締役も選任された以上は取締役としてその会社に対して負うのではないか,それとも,忠実義務なりは親会社から来たので親会社に対して負うのか
A 機会を改めて説明する

参考資料12「監査役制度の実効性確保に関する日本監査役協会の考え」~制度的担保の必要性~(日本監査役協会会長 築舘勝利委員)
1.ベストプラクティスの実践
2.法改正等の立法的措置(制度的手当)
・内部統制システムの運用状況の開示について
・期ずれの問題について
・会計監査人の選任議案及び監査報酬の決定権について(「インセンティブのねじれ」の解消)
・第三者割当について、監査役監査報告に監査意見の記載を行う
・監査役による差止請求権の拡充について
→監査役アンケートでは、会計監査人の選任&報酬の決定権が必要3割に対し、同意権で充分が7割。法改正の是非はともかく、現行法制においてベストプラクティスの実践が望まれますね。
Q(中央大学野村教授)差止め請求権を拡充しなくても、会社法210条で株主は差止請求できるのでは
A 第三者割当増資については,そういうような皮膚感覚的な問題意識を持っているものですから,この場で御議論を専門家の方々にしていただけると有り難い
(東京大学田中教授)株主が損害を被る場合における違法行為差止請求権というのを考えるべきであり、監査役の違法行為差止請求権と監査委員の違法行為差止請求権も同じように拡充すべき
(野村教授)監査役の方々がもしこの権限を持ってしまいますと,義務として行使しなければならなくなり,場合によっては不作為の責任も負ってしまう可能性があるわけなので,そういう意味で,監査役の皆さんが実務の中で本当に権限不足を痛感されているのかどうかを伺いたかった
Q(三原弁護士)同意権だけでなく、344条2項の議案提出請求権もどう使われているのか。ねじれ問題というのは会社法の法制度がねじれているのか,運用がねじれているのか,制度があるけれども,使えないからねじれているというのか,それとも,そもそも監査役はそういう権限を行使すると飛ばされてしまうとか,そういった事実上の問題があって,これが使えないために,それで決定権という形の改正提案になっているのか
A 344条2項がどのぐらい使われているかは把握できておりません。推測するに,ほとんど実績はないに等しいぐらい使われていないと思います。監査役として拒否権を伴った同意権ということですから,納得できなければ拒否して,そうすれば,そのプロセスはそこで止まりますから,もう一度,執行部が案をつくり直して同意を求めてくるか,あるいは344条2項ですか,そちらのほうへということもあるんですが,実体論としては一つの企業の中で経営者がおり,そして監査役がいるというときに,よほどのことがないと,お互いにそういうことについてとことん争うというようなことにはならない。特に経営者とそれから一つの企業にほんの数名いるだけの監査役という立場になったときに,本当の意味で,どう見ても究極的に納得できないというときには拒否をすると思いますが,何割は同意できないけれども,何割はしようがないなというようなときには,実体論としては同意しているケースというのが多いんだろうと思うんですね。この辺をパッシングされているというような表現が妥当だったかどうかは分かりませんが,私が言いました4割とか5割の監査役がきちっと採るべき行動をとればいいかということかと思いますが,企業の内部の実体論的に言うと,必ずしもそう理屈どおりにはいっていないと,そういうことだと私は状況認識しております。,法が求める理念とか目標と実態をよく突き合わせて,現状でしようがないのか,あるいは法が求める目的を達成するために,もうちょっと手を加える余地があるのか,その辺を御議論いただきたいというのが私の問題提起です。
→築館会長のもちもちした回答は大変日本的で実情をよく表現されていると思います。要するに、100%賛成ではないけれど駄目とは言い切れない提案に対して、決まってしまってから同意か不同意かと迫られて不同意だとは日本ではなかなか言いづらい、自分で提案するのだったら100%良いと思われる案を提案するって事ですよね。
(京都大学前田教授)第三者割当てにおける監査役の役割について会社法上の手当てをすることに賛成
(早稲田大学上村教授)選任議案の決定権を監査役,監査役会が持つということですけれども,立派な会計監査人を選べば,その人に監査意見は任せたらいいのではないでしょうか。

参考資料13会社法制の見直しについて~企業の競争力強化に資する会社法制の実現を求める~(日立副社長 八丁地隆委員)
・企業の競争力強化に資する会社法制の実現を求める
・ 諸外国の法制については、それが拠って立つ基盤となる法体系や関連法制の違い、社会・経済の実態の違い
などを十分に踏まえて評価すべき⇒安易な移植は避けるべき
・我が国では、多くの企業が経営者と従業員が一体感を持って企業価値の向上に努力し続けているという企業
文化も踏まえる必要がある
・大多数の企業は、現行法制に則って適正にガバナンスを機能させているにもかかわらず、一部企業による不祥
事のために、企業全体に一律的に過重な規制を課すべきではない
・ 規制によって企業の活力を削ぎ、ひいては日本経済全体の持続的な成長を阻害することのないようにすべき
・ 会社法制の見直しにあたっては、ガバナンスに要するコストが最終的には株主等の負担になることや、改正が
会社自体だけでなく株主を含むステークホルダーにも大きな影響を与えることになることに配慮すべき
・ガバナンス機構のあり方;事業内容等に適したガバナンス体制を企業が選択できる環境を維持すべき
・社外取締役;どのような取締役会の構成とするかについては、各企業の自主的な選択が認められるべき
・従業員選出監査役制度;特定の利害を代表する者の就任により深刻な利益相反を生じ、適正な監査に支障
・監査のねじれ;監査役が既に与えられている権限を十分に発揮することによって、会計監査人の選任や報酬決定についての利益相反のリスクは排除できる
・親会社株主に子会社役員に対する代表訴訟提起権付与;子会社の経営は子会社役員の責任であり、親会社株主に子会社役員への代表訴訟提起権を付与すべきでない
・重要事項について親会社株主総会決議を必要とすべき;企業経営の機動性、効率性を損なうおそれがあり、子会社の株主総会決議事項について親会社株主総会の決議を要することとすべきでない
・会社の子会社少数株主・債権者に対する責任;子会社の少数株主や債権者保護について、現行法制で不足する点があるのかどうかについて確認すべき
・親子会社間等の取引開示;株主に対する利益供与は禁止されている
・第三者割当増資;証券取引所において、上場規則等の改正により、濫用的な第三者割当増資を規制しており、少数株主の保護が図られている
・親子上場;支配株主による濫用的なMBO等については、証券取引所規則等による行為規制で弊害を排除できる
→共感できる所が多いご意見です。日本に適した制度を如何に分かりやすく説明するかが課題ですね。

参考資料14金融・資本市場の観点から重要と考えられる論点(金融庁総務企画局企業開示課長 三井秀範幹事)
1.エンプティ・ボーティング等/実質株主
2.公開買付規制違反等に対するエンフォースメントの複線化
3.ファイナンス(ライツ・オファリング、第3者割当増資)
4.株式対価の公開買付け等

会社法-1 諮問

2月24日の法制審議会で千葉景子法務大臣が会社法の見直しについて諮問して以来、活発な議論が展開されている。
もっとも法務大臣の千葉さんが落選して柳田氏に代わり、その柳田大臣も国会を軽視した冗談発言によって辞任し、来年夏に予定されている答申は誰に対して行われるのか、不明ではあるが。

その議論について学び、素人ながら考えてみたい。

諮問第九十一号
会社法制について、会社が社会的、経済的に重要な役割を果たしていることに照らして会社を取り巻く幅広い利害関係者からの一層の信頼を確保する観点から、企業統治の在り方や親子会社に関する規律等を見直す必要があると思われるので、その要綱を示されたい。

ここに至る経緯として
H21.3.26 日本監査役協会は「上場会社に関するコーポレート・ガバナンス上の諸課題」を発表

H21.9 民主党INDEX2009で公開会社法の制定を政策に掲げる。
具体的には、日経が素案を掲載している

H21.10.13 日本会計士協会は「会社法改正に関する要望書」を提言している。
a.会計監査人の選任・監査報酬の決定について
b.監査役の機能の強化について
c.有価証券報告書の財務諸表と計算書類の一元化について
d.金融商品取引法と会社法に基づく監査制度の一元化について

これらに対して、
民主党の藤末氏の意見は「株主至上主義との決別」
彼のブログの中で「member of companyとは日本では社員のことだが、欧米では株主のことを言う」は、日本と欧米の違いをよく表している。彼は日本企業が配当性向ばかりを気にして、配当を増やし自己株買いを進めている事に警鐘を発している。

早稲田大学法学部というブログは、後悔会社法と揶揄り、『投資家の間には金融市場を重視しない現政権に懐疑的な見方もある。「法制審の議論が経営改革につながらなければ投資離れは加速する」(機関投資家)と懸念する声も。投資しやすい環境整備に向けた民主党の本気度が試されそうだ。』と株主から遊離した政策を懸念する。

日本経団連は、『事業遂行の形態・運営の弾力化─定款自治の拡大、組織再編の選択肢の弾力化と機動化、資金調達方法・株主への利益還元手段の多様化』と、法に縛られるのではなく経営の自由度を求めている。

「公開会社法が日本を滅ぼす」は労働分配率が既に至上最高になっており、株主重視とはいえないと指摘する。

ほりえもんは、法律が増えれば増えるほど役所が増え、天下り先も増える。役人の仕事創造計画で割をくうのは国民なのだ。と喝破する。

それぞれの立場からの議論が尽くされ、実質的に企業のガバナンスが向上し、更なる価値向上に繋がる法制作りに期待する。

プロフィール

新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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プロフィール

新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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