スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

光ケーブルカルテル事件をめぐる株主代表訴訟

商事法務12月15日号によると
住友電気工業の株主が取締17人に対して公正取引委員会から支払いを命じられた課徴金を賠償するよう請求した。
理由は課徴金減免制度(リーニエンシー)を使わなかったため、会社に損害を与えた。というもの

経緯は
5月21日 東西NTTやNTTドコモが発注する光ケーブルや周辺機器の販売を巡る価格カルテル事件で、公正取引委員会は21日、住友電気工業(大阪)や古河電気工業(東京)、フジクラ(同)、昭和電線ケーブルシステム(同)、住友スリーエム(同)の5社に対し、独占禁止法に基づき、総額160億9943万円の課徴金納付を命じた。(過去最高)
6月21日 住友電工は再発防止を図るため組織変更などを実施
8月26日 株主は住友電工光ファイバーカルテル事件について、提訴通知
9月22日 株主が取締役会議事録閲覧謄写請求を行う。
10月25日 不提訴理由通知書が株主に届く。
12月1日 不提訴理由通知書の内容を精査し、被告を絞った上で提訴

厳しいですね
スポンサーサイト

戦う監査役

月刊監査役12月号「判例解説」でストック・オプションに関する訴訟が載っていたのでホームページで検索すると、この事例ではないが、驚くべき事例があった。

大証ヘラクレス上場のソフト開発会社、平成電電の子会社トライアイズ(旧ドリームテクノロジーズ)の古川監査役が、会社の監査妨害に対して株主総会及び裁判所に訴えた。

H21.3.5 会社は、第5号議案「監査役1 名解任の件」を付議するH21.3.25株主総会開催案内を送付

H21.3.16 仮処分命令申立書を提出 監査役が「当該申立ては、かかる議案の提出が、代表取締役による違法行為であるとして、当該議案を当該株主総会へ提出することの禁止を求める。」

H21.3.24 会社は定時株主総会に提出した監査役の解任議案を取り下げると発表。「手続きに不備はないが、混乱を避けるべきだと考え議案を取り下げた」と説明

H21.6.4 監査役は平成21年3月25日の定時株主総会における決議の一部に瑕疵があるとして決議の取り消しを求める提訴。
瑕疵の内容については、当社が監査役に事前に計算書類等を提供しなかった、株主総会参考書類に監査役の意見が記載されていない、株主総会において古川監査役の意見の陳述権が不当に制限された等とされており、請求の趣旨は以下のとおりです。
(1) 当社の平成21 年3月25 日開催の定時株主総会における取締役選任の決議を取り消す
(2) 当社の平成21 年3月25 日開催の定時株主総会における監査役選任の決議を取り消す
(3) 当社の平成21 年3月25 日開催の定時株主総会における当社の計算書類を承認する旨の決議を取り消す
(4) 訴訟費用は当社の負担とする

H21.6.19 3月に行った仮処分申立てに要した弁護士費用等の費用1514万5643円を監査費用であるとして会社に請求する訴訟を提起

H21.7.10 弁護士報酬のうち着手金として監査役が合意した525 万円について、監査役の職務の執行に必要な費用であるとして、会社法388条第3号に基づき、監査役に代わって、当社に対してその仮払いを求める仮処分命令の申し立て

H21.9.18 株主総会召集通知 監査役1名解任決議

H21.10.9 臨時株主総会で監査役解任決議承認

H21.12.8 東京地裁は3.25株主総会決議取消訴訟を却下「当社の監査役を解任されたため、監査役は、本件訴訟の原告適格を失ったと認められる。そうすると、本件訴えは不適法であり、本件訴えは却下を免れない。」

H22.3.8「訴訟の請求拡張申立てに関するお知らせ」
既に請求している弁護士報酬額に加え、16,777,950 円(合計31,923,593 円)を監査役に代って支払うことを求める

以上は会社のホームページを元に整理したものです。監査役の横暴によって会社も株主もえらい迷惑をしているように見えます。
一方で、次のホームページもあります。
トライアイズ解任議案の差し止め請求

取締役会で、「オメー、自己破産して、家族全員首くくらしてやるよ。ばか、死ねよ!」などと激しく恫喝

H21.4.20 ASAHI.com 同社幹部は「根拠のない主張が多く、業務に差し障りが出た。監査役の権限は強力で、やむを得なかった」と振り返る。
 古川さんは銀行出身で、同社首脳に請われて昨春、監査役になった。同社が取締役会の承認なしに、子会社から経営指導料を得ていることなどを問題視し、経営側に是正を求めてきた。
 解任議案に対しては「監査役の調査を妨害する」と東京地裁に差し止めの仮処分を申請。結局トライアイズは「株主に判断してもらおうと思ったが、混乱を避けた」(幹部)と、議案を取り下げた。  古川さんは「監査役はコーポレートガバナンス(企業統治)の最後の要。株主のためにも、投げ出すわけにはいかない」と話す。

はてさて、真相は闇の中ですが、短い期間で何人も監査役が辞め、経理部長が辞任する会社に問題がないとは思えません。
監査役の意見が正しいとしても、その意見が事業報告に掲載され、それを前提に株主が会社提案で良しと決議した訳ですから、しょうがないのかも知れませんが、しかし・・・・・・

セイコーのお家騒動

6月9日のブログに「長寿企業に学ぶ」を書いたが、同属企業の素晴らしい面も有り、一方で影もある。
日本の誇るセイコーでお家騒動がまた起こったというのだ。

発端は今年3月に出された株主代表訴訟
 ①子会社における人事及び経営施策によって当社に損害が生じている。
 ②当社において不透明な経理処理が存在する。
 ③和光本館及び和光並木館に係る投資活動が経営判断として適法性に疑問がある。
 ④債務超過となっている当社子会社についての開示義務を怠っている。
 ⑤和光取締役によるパワーハラスメント行為が存在している。
 ⑥当社取締役に対して不当な役員報酬が支払われた。

という訴えに対して、第三者調査委員会が設置され、4月20日に調査結果が報告され、6月22日に対応が報告されている。
①、②、③、④及び⑥については、当社取締役について法的責任を生じさせるような事実は認められなかったが、⑤については、和光取締役1名によるパワーハラスメントが和光内で行われていた事実が認められた。
当社監査役としては「当社取締役が善管注意義務違反等により会社に損害を与えたとして、会社を代表して当社取締役に対する損害賠償請求訴訟を現時点で提起するには及ばない」と述べつつも、当社取締役は、和光に対する人事権の行使・問題の和光取締役に対する提訴の請求・株主代表訴訟等の措置を検討し、適切な対応を行う義務を負うため、当社監査役としてはこれを注視する必要がある。


実態として、セイコーHD名誉会長&和光会長兼社長の服部礼次郎氏が寵愛していた和光での秘書鵜浦典子を和光の専務&セイコーHDの取締役にしたが、彼女がパワハラを働いたと言うものだ。
彼女は和光スクエア構想を計画して銀座周辺の不動産を買い集め、セイコーの経営悪化を招いていると言う。

4月30日の取締役会で、社外取締役の原田明夫氏(元検事総長)より、村野氏&鵜浦氏解任の緊急動議が提出され、村野氏を除く5人の取締役の3人が賛成した。子会社の和光でも服部礼次郎会長、鵜浦専務が解任され、いずれも6月末の株主総会で決定した。
セイコーグループでは4年前にもセイコーインスツルメントの会長兼社長代行の服部純市氏が「外部の女性の話しだけを聞いて独断専行で重要事項を決める」という理由で、取締役会の緊急動議で解任されている。

これら一連の動きは、取締役会や監査役会が機能しているとほめるべきかも知れないが、しかしトップの横暴ぶりにあきれ果てる。
新社長も服部家からである。
同属企業が100年200年と生き延びるためには、トップの倫理観と、風通しの良い企業風土が欠かせない。

粉飾に対する責任

月刊監査役6月号に「虚偽記載に関する監査役の責任」を同志社大学の松尾准教授が書いておられる。
昨日のブログで「日本ビクターに課徴金」と書いたばっかりだったので、びっくり!

公開会社は事業年度終了後3ヶ月以内に有価証券報告書を、四半期終了後45日以内に四半期報告書を内閣総理大臣に提出しなければいけない。
その内容に虚偽の記載があった場合は、刑事責任・民事責任・課徴金が課せられる。
・刑事責任;提出した者に10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、発行会社に7億円以下の罰金
・民事責任;発行会社、虚偽記載を行った役員、監視を怠った役員、監査法人は証券の取得者に対し、損害賠償責任を負う。損害額は投資者が証券を取得するために支払った額から請求時の証券の市場価格を引いた額
・課徴金;証券取引等監視委員会が課徴金を課すよう勧告し、それに応じて金融庁が課徴金納付命令を出す。有報の虚偽記載は600万円または時価総額の10万分の6相当額の多い方

役員(取締役、監査役、執行役員)は監視を怠っていないと証明するためには、相当な注意をしたにもかかわらず虚偽記載を知ることが出来なかったことを証明しなければいけない。
ライブドアの粉飾に際して監査役は、疑わしい点はあるとの印象はあったが監査法人が無限定適正意見を出したので決算に異議を述べなかったが、「会計監査人に会計処理の適正性を確認するなどの措置を行わなかった」事が相当な注意をしたと認められないと判断された。
ただ、損害賠償責任を負うのは金商法第21条によって提出時の役員とされているので、有報を提出する前日に辞任した監査役は追求されていない。


以上からすると、課徴金を課された企業は、株主代表訴訟や、刑事告発など、大変な試練が懸念されますね。
しかし、提出時に辞任していれば免責されると言うのは不思議な扱いですね。
取締役会で反対意見を述べて議事録に残す必要はないのでしょうか。
法律の世界は、難解であり、熟知しておかないと足をすくわれかねないですね。

日本ビクターに課徴金

犬のロゴで有名なビクターが粉飾で課徴金と言う記事があった。

 日本ビクターが不適切な会計処理をしていた問題で、証券取引等監視委員会は21日、約15億5000万円の課徴金支払いを命じるよう金融庁に勧告した。
 金商法の課徴金としては、2008年造船重機大手IHIの約16億円に次いで、過去2番目に多い額。
 日本ビクターは08年にケンウッドと統合する以前から、海外販売子会社で不振に陥ったテレビ事業の営業関係費の損失を先送りするなど不適切に会計を処理。07年3月期や09年3月期などに提出された有価証券報告書に重大な虚偽の記載があった。


日本ビクターは次の変遷をたどる。
昭和2年 米国ビクターの日本法人として設立
昭和4年 米ビクターがRCAに吸収され、親会社はRCAビクターに
昭和13年 RCAが日産コンチェルンに譲渡。その後、東芝に売却
昭和21年 世界初のブラウン管テレビを開発した高柳健次郎を迎え入れる。
昭和29年 松下電器と提携
昭和33年 日本発のステレオレコードを発売
昭和35年 カラーテレビ発売
昭和51年 家庭用VHSビデオデッキ発売
平成19年 松下電器の子会社から外れケンウッドと業務提携(H20の合併を目指すが延期)
平成20年 持株会社 JVC・ケンウッド・ホールディングス(株)を設立し、その子会社となる。
     ビクター1株に2株、ケンウッド1株に1株割当

さて、今回の課徴金の原因となった過年度修正は2月8日に発表された「調査委員会報告と過年度決算の訂正概要、平成22年3月期第3四半期の四半期報告書の提出遅延および監理銘柄(確認中)指定の見込みに関するお知らせ」に詳しく載っている。
 平成17年3月期から21年第2四半期までの本体損失が170億円となり、過去に計上した損失76億円に比べると94億円の増加となる。

 海外子会社での損失処理を先延ばししていた事が原因だが、ケンウッドとの統合により経営陣が刷新され、会計処理が透明化した事によって発覚したようだ。
統合時にケンウッドの株価は133円、ビクターは285円
ホールディングスの株価は、統合時70円、昨日の終値で40円
 株主からすると、不適切な開示によって高値で株を買わされたと言う事になるのかと思います。

 問題点は海外子会社のガバナンスですが、難しい課題ですが、だからこそどう改善されていくのかをウォッチしていくことで学ぶ事が多いかと思います。

プロフィール

新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール

新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。