工事進行基準など準備したはずが手戻りに?

 IFRS(国際会計基準)の導入は世界の中で日本が一番遅れていると言われています。
 意思決定が遅れているだけでなく、導入することに決めてから導入までに少なくとも3年はかかり、その上、連続性を確保するため過去に遡って計算書類を提出する、というとんでもない労力と時間がかかるようです。
 ですから、少しでも出来るところから日本の会計基準をIFRSに合わせて行く努力が既にされているようですが、H20決算から適用された工事進行基準についてはそれが裏目になってしまいそうです。
 長期の請負工事は、今まで目的物の引き渡しをもって契約の完了と考える“実現主義”に基づいて収益を計上していた。
 引渡しまで、請負者には人件費やら材料費やらを負担しなければいけないわけで、3ヶ月の工事ならまだしも、2年も3年もかかる工事なら、年度にかかる費用に対し収入が入ってきませんから、収支が見合わないことになります。
 それをIFRSに合わせて、工事進行基準を原則として適用し、工事の進捗に合わせて収入を計上するよう、企業会計基準委員会(ASBJ)が「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号)に定め、各社とも大変な苦労をしてH20決算に反映したわけです。
 ところが、IFRSは実現主義になりそうだ、という状況のようで、また元に戻さなければいけない可能性が高いそうです。
 IFRSに向けて準備をすすめる必要があっても、情報は不確かで手戻りになるかも知れない、という事でしたら、誰も真剣に取り組みませんよね。
 これからも日本が国際規格から遠く離れて取り残されているのが分かります。
 ぜひ、アンテナを高く上げて正しい情報を入手し、更には日本の有利な方向に国際規格を誘導してもらいたいものですね。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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