会計データの読み方・活かし方

8月6日に日本監査役協会の北陸地区懇談会が開催され、神奈川大学田中教授より「会計データの読み方・活かし方」をテーマに講演頂いた。

レーダーチャートや片対数グラフを活用した過年度分析により、成長性、収益性、安全性、財務安定性、社会貢献度を分析する事により、視覚的・直感的に問題発見が出来る。
問題が発見できたら、原因を分析し問題解決を図っていく事が容易に可能となる。
ただ、収益性といっても、経営者にとっては総資本利益率(税引き前利益/総資本)で分析し、株主は株主資本利益率(税引き後利益/自己資本)で分析するなど、視点によって分析方法は変る。
などを具体的な数字を例にとって教えて頂きました。
経理経験のない監査役にとっては非常に為になる内容だったと思います。

最後に「IFRSを読み解く10のカギ」を紹介頂きました。
・そもそもIFRSは、ものづくり産業が壊滅した米英が国際会計基準という「平和的武器」と、金融工学という「マジック」を使って、世界の富を汗も流さず手に入れようとしているものだ。
・「経営者が合理的と考える金額」を評価益にフェア・バリューとして計上する仕組みは、「どうぞご自由に金融工学を使って粉飾して下さい」と言っているようなもの。
・IFRSは連結財務諸表だけに適用することを想定しているのに、日本だけが個別財務諸表にまで強制適用しようとしている。
・フランスのサルコジ大統領は時価会計を強く批判している。米国もロードマップの公表を見送っている。
などなど、IFRSの導入は国際的に決定しておりどうしようもない、と聞かされ、コンサルタントに高いコンサルタント費用を払って導入に向けて取組まざるをえないと思っている者にとって、ショッキングな内容でした。

8月11日の日経新聞大機小機にも「誰がための財務諸表改革か」という論説が出され、田中先生と同じくIFRSに対する危惧が述べられている。
・我が国の会計制度は国際基準に収れんしつつあるが、ほとんどの改革は欧米基準への追随であり、日本の独自性は皆無
・ガバナンス全般の制度改革や内部統制報告制度などが強制されたが、企業は過重な事務とコスト負担に悲鳴を上げた。
・欧州発の会計基準IFRSが強制適用されようとしているが、IFRSは投資家向けの時価の開示と資産・負債・損益に偏り、企業の動態的な経営活動を明らかにしない。
・日本型経営の特色である企業の社会的存在への考慮が全く払われていない。
・財務諸表は経営者、従業員、株主、債権者、さらには税務にまで活用されるため、その改革には広範な利害関係者の理解が肝要。
・IFRSの導入には熟考が必要で、当面は連結決算に限定すべき。

ようやく日本としてきちんと日本のために物を言っていくべきだと言う論調が出てきたことは嬉しい限り。
1監査役としても、自分なりの意見を持って対応して行きたいものだ。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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