風通しの悪い会社では内部統制が機能しない

9月11日 日経新聞 リーマン破綻3ヶ月前にクーデター 「社長更迭遅すぎた」より

世界を経済恐慌の嵐に陥れたリーマンブラザーズの破綻より1年が経とうとしているが、同社では破綻の1年以上前より、リスク削減を主張する幹部社員と、収益拡大を優先する経営陣が対立し、社長更迭のクーデターが起きていたと言う。

 身の丈に合わない不動産投資にのめり込み、総資産は10年前の20倍近くに膨らみ、巨額の損失リスクを抱えたため一部社員は2006年頃からファルド会長らトップに資産売却を進言した。
 しかし経営陣は最新の証券化商品の知識に乏しく、リスク管理に欠けていた。
 その上、トレーディングルームに一度も姿を見せないなど、現場を知ろうともしなかった。

 ファルド会長と腹心のグレゴリー社長が君臨し、都合の悪い事実を忠告したものは遠ざけられ、恐怖が社内を支配していた。会社の問題点を議論するときは周囲を見渡したものだと、元トレーダーのL・マグドナルド氏は言う。

 破綻の3ヶ月前にようやく幹部社員が結束し、グレゴリー社長を更迭し、マグデイド社長に代わったが、1200億ドルにも膨らんでいた不動産投資に対してなすすべも無かった。
 ヘンリー・ポールセル財務長官も憂慮し、2008年春に韓国大手銀行への身売りを進めたが、ファルド氏は「指図はいらない」と拒否。その後バンカメへの身売りも不調に終わり、ポールセン率いる財務省は当然のように財政支援を拒否し、2009年9月15日に破綻するに至った。

 エンロンやワールドコムの粉飾決算に端を発して内部統制システムを構築しているが、リーマンブラザーズのように形だけ整えてもまったく意味を成さない。
 恐怖政治が支配している会社の中では、自分を守るのが精一杯で、真の情報は得られず、悪い情報やリスクは特に隠され、内部統制が効くはずがない。
 まずは形だけの仕組みづくりよりも、いかに風通しの良い雰囲気を作るかが、会社の存続(ゴーイングコンサーン)にとって必要不可欠なものだと思う。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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