多重代表訴訟(親子会社のガバナンス)について

日本監査役協会の全国大会で多重代表訴訟について議論されました。
持ち株会社が制度化されて、持ち株会社である親会社の株主が、実施部隊である子会社の取締役を株主代表訴訟で提訴出来るようにすべきだ、という議論です。

弁護士;そもそも株主代表訴訟そのものが不合理。企業の悪を暴くと言ったヒーローかも知れないが、実際には経営者を苦しめようと言う事例が多い。弁護士が手数料稼ぎのために株主に提訴を働きかける、という動機もあるかもしれない。取締役は、敗訴しても定款で年収の2~6倍までの責任に限定しておりそれも保険で担保しているから問題ないと思っているかもしれないが、株主が反対すれば成立しない。忙しい取締役が訴訟対応に忙殺されることも問題であり、経済的合理性のない制度である。それがさらに子会社の取締役まで提訴できることになったら、大変なことになると思われる。
経団連;子会社と言えども独立した会社であり、権限も責任も子会社にある。子会社の経営によって親会社に損害があったら、親会社の取締役を監督責任を問うべき。親子会社の関係で実際に直接提訴すべき問題が考えられない。子会社の役員は親会社からすると役員クラスのでなく従業員クラスの人もおり、そのレベルの人を提訴できるようにすべきではない。
日監協;目的が曖昧。企業の活性化にどういう影響があるのか懸念される。
といった議論でした。
本当に必要ならばしっかりと議論して制度設計していくべきですが、一部の学者が主張される机上の論理によって、企業の負担が大きく増え、本業に悪影響だけを与える事は避けて頂きたいものです。

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親会社株主による子会社役員への株主代表訴訟や株主代表訴訟の是非を問う前に、日本国が資本主義であり経済的多数決の原理による子会社の独立性の確保が本当に可能かを検討した方がよろしいかと・・・

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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