会社法-4 第3回会社法制部会

6月23日に第3回会社法制部会が開催され、日監協の提案についても非常に活発に審議された。

参考資料10コーポレート・ガバナンス向上に向けた上場制度の整備について(東京証券取引所執行役員静正樹委員)
・第三者割当てにおける少数株主の権利保護
・独立役員の権限あるいは責任の明確化
→東証の規則改正は金融庁の法律改正案を先行実施し既成事実化?

参考資料11今後の企業法制の在り方について(経産省経産局産業組織課長 奈須野太幹事)
・我が国「成長戦略」の一環として国際競争力強化や資本市場活性化に資する所要の見直しがなされるべき。
・企業の組織再編・M&Aの支援・・自社株対価TOBの利用促進、商事・金融高等裁判所(仮称)の創設、他
・グループ総合力を生かした経営の推進・・グループ配当金、親会社監査役が子会社を監査、法人選任取締役他
・ガバナンス向上による「変化対応力」強化・・従業員選任役員制度、合同監査委員会設置会社、他
→エー!経産省も従業員選出監査役を提案しているのかと思ったが、「労働団体から導入が要望されているところ、その是非を検討する。一律な義務づけには慎重な検討が必要と考える。」とあり、少し安心
Q法政大学荒谷教授
 監査役と取締役の兼任を認め合同監査委員会を設置するということになりますと,執行機能と監督機能の分離・分掌という観点から見ると,私自身,この制度をイメージし,理解することが難しい
A 全員が非業務執行の取締役を兼ねる。イメージとしては取締役としての権限を付与するのに近い
Q(三原弁護士)法人選任取締役も選任された以上は取締役としてその会社に対して負うのではないか,それとも,忠実義務なりは親会社から来たので親会社に対して負うのか
A 機会を改めて説明する

参考資料12「監査役制度の実効性確保に関する日本監査役協会の考え」~制度的担保の必要性~(日本監査役協会会長 築舘勝利委員)
1.ベストプラクティスの実践
2.法改正等の立法的措置(制度的手当)
・内部統制システムの運用状況の開示について
・期ずれの問題について
・会計監査人の選任議案及び監査報酬の決定権について(「インセンティブのねじれ」の解消)
・第三者割当について、監査役監査報告に監査意見の記載を行う
・監査役による差止請求権の拡充について
→監査役アンケートでは、会計監査人の選任&報酬の決定権が必要3割に対し、同意権で充分が7割。法改正の是非はともかく、現行法制においてベストプラクティスの実践が望まれますね。
Q(中央大学野村教授)差止め請求権を拡充しなくても、会社法210条で株主は差止請求できるのでは
A 第三者割当増資については,そういうような皮膚感覚的な問題意識を持っているものですから,この場で御議論を専門家の方々にしていただけると有り難い
(東京大学田中教授)株主が損害を被る場合における違法行為差止請求権というのを考えるべきであり、監査役の違法行為差止請求権と監査委員の違法行為差止請求権も同じように拡充すべき
(野村教授)監査役の方々がもしこの権限を持ってしまいますと,義務として行使しなければならなくなり,場合によっては不作為の責任も負ってしまう可能性があるわけなので,そういう意味で,監査役の皆さんが実務の中で本当に権限不足を痛感されているのかどうかを伺いたかった
Q(三原弁護士)同意権だけでなく、344条2項の議案提出請求権もどう使われているのか。ねじれ問題というのは会社法の法制度がねじれているのか,運用がねじれているのか,制度があるけれども,使えないからねじれているというのか,それとも,そもそも監査役はそういう権限を行使すると飛ばされてしまうとか,そういった事実上の問題があって,これが使えないために,それで決定権という形の改正提案になっているのか
A 344条2項がどのぐらい使われているかは把握できておりません。推測するに,ほとんど実績はないに等しいぐらい使われていないと思います。監査役として拒否権を伴った同意権ということですから,納得できなければ拒否して,そうすれば,そのプロセスはそこで止まりますから,もう一度,執行部が案をつくり直して同意を求めてくるか,あるいは344条2項ですか,そちらのほうへということもあるんですが,実体論としては一つの企業の中で経営者がおり,そして監査役がいるというときに,よほどのことがないと,お互いにそういうことについてとことん争うというようなことにはならない。特に経営者とそれから一つの企業にほんの数名いるだけの監査役という立場になったときに,本当の意味で,どう見ても究極的に納得できないというときには拒否をすると思いますが,何割は同意できないけれども,何割はしようがないなというようなときには,実体論としては同意しているケースというのが多いんだろうと思うんですね。この辺をパッシングされているというような表現が妥当だったかどうかは分かりませんが,私が言いました4割とか5割の監査役がきちっと採るべき行動をとればいいかということかと思いますが,企業の内部の実体論的に言うと,必ずしもそう理屈どおりにはいっていないと,そういうことだと私は状況認識しております。,法が求める理念とか目標と実態をよく突き合わせて,現状でしようがないのか,あるいは法が求める目的を達成するために,もうちょっと手を加える余地があるのか,その辺を御議論いただきたいというのが私の問題提起です。
→築館会長のもちもちした回答は大変日本的で実情をよく表現されていると思います。要するに、100%賛成ではないけれど駄目とは言い切れない提案に対して、決まってしまってから同意か不同意かと迫られて不同意だとは日本ではなかなか言いづらい、自分で提案するのだったら100%良いと思われる案を提案するって事ですよね。
(京都大学前田教授)第三者割当てにおける監査役の役割について会社法上の手当てをすることに賛成
(早稲田大学上村教授)選任議案の決定権を監査役,監査役会が持つということですけれども,立派な会計監査人を選べば,その人に監査意見は任せたらいいのではないでしょうか。

参考資料13会社法制の見直しについて~企業の競争力強化に資する会社法制の実現を求める~(日立副社長 八丁地隆委員)
・企業の競争力強化に資する会社法制の実現を求める
・ 諸外国の法制については、それが拠って立つ基盤となる法体系や関連法制の違い、社会・経済の実態の違い
などを十分に踏まえて評価すべき⇒安易な移植は避けるべき
・我が国では、多くの企業が経営者と従業員が一体感を持って企業価値の向上に努力し続けているという企業
文化も踏まえる必要がある
・大多数の企業は、現行法制に則って適正にガバナンスを機能させているにもかかわらず、一部企業による不祥
事のために、企業全体に一律的に過重な規制を課すべきではない
・ 規制によって企業の活力を削ぎ、ひいては日本経済全体の持続的な成長を阻害することのないようにすべき
・ 会社法制の見直しにあたっては、ガバナンスに要するコストが最終的には株主等の負担になることや、改正が
会社自体だけでなく株主を含むステークホルダーにも大きな影響を与えることになることに配慮すべき
・ガバナンス機構のあり方;事業内容等に適したガバナンス体制を企業が選択できる環境を維持すべき
・社外取締役;どのような取締役会の構成とするかについては、各企業の自主的な選択が認められるべき
・従業員選出監査役制度;特定の利害を代表する者の就任により深刻な利益相反を生じ、適正な監査に支障
・監査のねじれ;監査役が既に与えられている権限を十分に発揮することによって、会計監査人の選任や報酬決定についての利益相反のリスクは排除できる
・親会社株主に子会社役員に対する代表訴訟提起権付与;子会社の経営は子会社役員の責任であり、親会社株主に子会社役員への代表訴訟提起権を付与すべきでない
・重要事項について親会社株主総会決議を必要とすべき;企業経営の機動性、効率性を損なうおそれがあり、子会社の株主総会決議事項について親会社株主総会の決議を要することとすべきでない
・会社の子会社少数株主・債権者に対する責任;子会社の少数株主や債権者保護について、現行法制で不足する点があるのかどうかについて確認すべき
・親子会社間等の取引開示;株主に対する利益供与は禁止されている
・第三者割当増資;証券取引所において、上場規則等の改正により、濫用的な第三者割当増資を規制しており、少数株主の保護が図られている
・親子上場;支配株主による濫用的なMBO等については、証券取引所規則等による行為規制で弊害を排除できる
→共感できる所が多いご意見です。日本に適した制度を如何に分かりやすく説明するかが課題ですね。

参考資料14金融・資本市場の観点から重要と考えられる論点(金融庁総務企画局企業開示課長 三井秀範幹事)
1.エンプティ・ボーティング等/実質株主
2.公開買付規制違反等に対するエンフォースメントの複線化
3.ファイナンス(ライツ・オファリング、第3者割当増資)
4.株式対価の公開買付け等

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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