会社法-5 会計監査人の選任&報酬の決定について(私見)

会計監査人の選任及び報酬について、監査役に同意権ではなく決定権を与えるべきに対し、

日本経団連     必要 3% 不要 97%
日本監査役協会   〃 30% 〃  70%
日本公認会計士協会 〃 43% 〃  46%
と、面白いアンケート結果が出ています。

同意権のときの決まり方を想像すると
会計士「今年はIFRSの見直しなどがあり監査日数も報酬も5割アップでお願いします。」
会社 「会計監査も3年目になって省略しても良いところもあるので、日数も報酬も昨年並みでお願いします」
会計士「しょうがないですね。では監査項目を見直して昨年並みとしましょうか。」
・・・
会社 「監査役さん、会計士の報酬は昨年並みといたしますがよろしいですね。」
監査役「会計士にも確認します」
・・・
監査役「監査項目と監査品質に問題ありませんね。」
会計士「新しい項目が出てきますが、効率的な監査を行うことで問題ありません」

それが決定権になると
会計士「今年はIFRSの見直しなどがあり監査日数も報酬も5割アップでお願いします。」
監査役「監査項目と監査品質に問題ありませんね。」
会計士「そう言われると、昨年までは予算を抑えられましたが、アメリカ並みに監査させて頂くともっと監査品質を上げることが出来ますが。」
監査役「それでは10倍になってしまう。昨年の会計監査の品質に問題はなかったので、5割アップのご提案でお願いしますよ。」

というような違いになるのでしょうか。
監査役と会計士とは監査品質を上げると言う同じベクトルにあるので、監査報酬の交渉・決定を監査役が行うべきではないと思います。
ただ、監査品質が満足できない状況だと判断したときに、毅然と不同意を行う気構えと、そこに至る情報の収集は必然です。
監査役のベストプラクティスに示されたプロセスを適確に実行することが大切だと思います。
・事前の情報収集・報告聴取
・会計監査人の「監査計画」の内容の適切性・妥当性の主体的検討
・会計監査人の「報酬見積もり」の算定根拠の適切性・妥当性の検討
・同意プロセスの確立と書面の作成
・事業年度を通じた会計監査人との緊密な連携の保持

なお、現状において、会計監査人とのスケジュールに問題がないとはいえません。
数社のスケジュールをお聞きすると、
4月 会計監査人の職務の遂行に関しての説明をヒアリング
5月 年度末監査実施状況の説明をヒアリング
6月 株主総会で会計監査人の状況(再任、前年度報酬)を報告
7月 監査計画、四半期レビューをヒアリング
7~9月 監査報酬算定根拠をヒアリング&同意
となっているようですが、再任を決定後に監査計画と報酬を決めています。
監査計画と報酬が合意されず他の会計監査人を選任するなんて場合は、臨時株主総会を開催が必要となり、適切性・妥当性判断に大きな圧力がかかります。
再任決定の前か同時に、監査計画と報酬を決定すべきではないでしょうか。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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