会社法-7 第4回会社法制部会-2

第2 取締役会の監督機能に関する検討事項
1 社外取締役の選任の義務付け

(法務省)取締役に求められる要件を
 a. 経営効率の向上のための助言を行う機能(助言機能)
 b. 経営全般を監督する機能(経営全般の監督機能)
 c. 会社と経営者との取引の承認など会社と経営者等との間の利益相反を監督する機能(利益相反の監督機能)
とすると、社外取締役の義務化は必要か。
(同志社伊藤教授) 経営者の評価を前提にした経営者の選解任という機能を果たすためには,社外取締役は必ずしもその会社の事業の内容に精通している必定はない。
(京都前田教授) b,cの両方を同時に満たすような社外取締役の要件の立て方は難しい
(日立) 諸外国では取締役会の多数は監督機能のみであり意思決定を行わない。企業のガバナンス構造は,各企業の規模,業種,業態,不祥事の発生度などによって,いろいろな形があるのに、一律形式的なルールを入れるべきではない。
(金融庁) 事業のことを必ずしも知らなくても、多様な視点,別の視点,社外の視点とかから,貢献,コントリビュートできるという,そういうメリットといいますか,プラスの要素になるのではないか
(法政荒谷教授),c.の利益相反の監督機能という点につきましては,最近,いろいろなことが問題になっておりますので,社外取締役にかなり期待できるのではないか
(伊藤忠TB安達社長) 監査役の権限は強化し,社外取締役を強化するということは,屋上屋を重ねることになる
(東京田中教授) 自分を実効的に評価し解任する、経営者と会社の間で取引をするときにその取引はアンフェアであると言ってくれる人をあらかじめ取締役に選ぶということは,よほど優れた経営者でないとなかなか難しいので、この二つは義務付けの根拠になる。しかし、社外取締役を入れることで事態は改善するか,あるいは,そもそも対処すべき問題というのが本当にあるのか、を考える必要がある。
→本当にそう思います。エンロンのようにお友達の社外取締役を入れたら逆効果です。
(経産省) 社外取締役に期待される機能は監査役,あるいは監査役会で果たされていると企業は認識。企業の実情に応じた統治構造については株主の判断で決めるべきで、特定の統治構造を押し付けることは謙抑的であるべき。法律で義務付けると,それがその会社の設立とか取締役決議の無効原因となる。社外取締役のマーケットというものが限られており、義務付けられた場合には社外性の要件をかなり緩めなければならない。
(企業年金連合会) 一律に義務付けるというのは時期尚早。社外取締役は望ましいので,それを誘導するような,そういう方向で議論するのであればすべき。一人とか二人,義務付けただけで事が収まるといいますか,議論が済むというのは非常に危険で,形式論に走るおそれがある。
(三原弁護士) 監査役会の半数を社外にしているということとの重複感をどうするのか。
(本渡弁護士) 対象会社は,かなりの限定が必要。会社がより良い経営ができるようにするために法律もその一端
を担っても良い。
(中央野村教授) 自分で見付け出して一生懸命やっている人にとってみると,全く無駄な義務付け。経営についての助言を必ず外部の人から受けているほうが見栄えが良いですよという議論は,ややおせっかいではないか。
(早稲田上村教授) 社外取締役という会社の内部に精通していない人に対して経営者が状況をきちんと説明をし、社外取締役は理解しようと努め、そのことについて評価をし,信任を与える。そのことによって,経営権の権威が高まる。それが社外取締役の基本的な機能で,それが結果的に経営の効率性にもつながる。
→それは社外監査役に対しても同じことが言えるのでは
(東証) 海外の投資家まだ道半ばだという評価。彼らは取締役会による経営効率の向上のためのモニタリングのようなものを含めた監督機能に対する期待を非常に大きく持っており、独立役員制度で確実に実現できるとはまだ信じていない。したがいまして,東京証券取引所としては,社外取締役の選任につきまして,何らかの義務付けのようなものを-法律でなくてもいいのかもしれませんが-検討すべき
→現状に問題なくて、海外投資家の納得感の問題だったら、規制強化ではなく説明方法の工夫が必要なのでは
(京都前田教授) 外部からの目を入れることによって意思決定の透明性が増すということは十分に期待できる。経営陣を監督する仕組みというのは,経営陣に任せておいてはなかなか最適な仕組みはつくられませんので,決しておせっかいではなく,法律が介入することが期待される
(東京神作教授) 構造的な利益相反の問題に対処するためには,社外取締役が多数派,相当程度の影響力を持たなければならない。一方、取締役会で説明され議論されていることがもし分からなかったら,何を話しているのか分からないと疑問を発するだけでも,取締役会はより一般的な言葉で分かりやすく議論される可能性があり,そこに社外取締役がたとえ一名でも存在していることの意義がある。
(東京神田教授) 企業の業績がずっと悪い状態が続いているのに,社長さんを初めとして経営陣が居座っているときにどうするかという話。少なくともどうしておりますというか,何とかする体制がうちの企業ではこうですということが開示できるような程度には持っていかないと,なかなかこれまでずっと指摘された投資家の声というものに応えることにはなりません。
(岩原部会長) 監督する立場の者が業務執行についてよく知っているかどうかということがもう問題にならないほど明確にパフォーマンスの悪さが業績,数字で表れているときに,社内取締役ばかりで,それに対して何もできないような会社のガバナンスでいいのですかということが,海外の機関投資家等から問われているように思います。そういうときにこそ,経営者等から独立した社外の役員が今の会社経営ではまずいのではないかということが言えるような制度を考える必要はないですかと,そういう問題が提起されたのではないか。
→そのような時は海外の投資家は逃げてしまっているのでは?そのための目的でしたら、監査役がきちんと開示しているかを監査すれば事足りるのではないでしょうか。

2 社外取締役の要件の見直し
(東京田中教授) ,経営者が実際上,社内で強い権力を握っているときに,比較的形式的な要件を満たした社外取締役を一人とか二人選べという規制を作っても,実効性は疑問。基本的には株主権それ自体を強化することで行うのが本来の在り方ではないか。この社外取締役については義務付けという方向ではなくて,選択肢を増やすというか選任しやすくするということが重要ではないかと。例えば社外取締役と監査役の兼任を認めるというのも一つの選択肢でしょうし,社外の要件を少し緩和するというのも,一つの選択肢としてはあり得る。
(経産省) 平成13年の改正の趣旨を反映するとすれば,常勤監査役から社外監査役になることはできないという立法にすればよい。
(日立) 事業を理解する熱意とか,その勉強のレベルとか,現場に入っていこうというメカニズムがない限り,日本企業でc.の機能が果たせない。経営全般の監督機能と利益相反の監督機能は車の両輪であって,c.をより目的志向的に運営するために,b.が必要であるということが現実的。その機能を果たす人が社外取締役である必要があるのか,本当に今社外監査役では何が不足なのか,社外性というものをそれほど重層的に求めることが本当に有効なのか,是非議論していただきたい。海外の投資家にも多くの方がいて多様な流れがある。特に日本にはないタイプとしては,ディープバリューの長期的視野を持っている投資家がいますが,この人々は,ガバナンスというよりも,やはり投資対象の会社が持っている経営の実力の方を見て投資判断をされているところが多く,またそういう投資家の方が日本企業の実力を理解している。より開示を進める必要はある。社外取締役のメリットを使うのか使わないのかということは,企業の大きな意思決定の一つとして自主判断にお任せいただいたほうがいい

(金融庁) 「2012年に連結財務諸表に国際会計基準を強制適用するか否か」「単体の財務諸表に国際会計基準を任意適用するか」という議論がございます。企業会計審議会では,それらについて2012年に議論する際には,会社法における取扱いがどうなっているのかが非常に影響があるので,会社法などの対応がどうなっていくのかということも,2010年,2011年に議論を深めていただいた上で,2012年に強制適用の判断を行うことも必要ではないか。またご相談させていただきたい。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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