会社法8 第5回法制審議会-1

9月29日に第5回の法制部会が開催され、「監査・監督委員会設置会社制度」について議論されている。
事務局からは、監査監督委員会を前提に次の資料説明があったが、そこまでに至らず、ガバナンスのあり方論が協議され、制度新設の是非は決まっていないようだ。

部会資料「企業統治の在り方に関する検討事項(2)」
① 監査・監督委員会の経営者からの独立性を確保するための仕組みの在り方
② 監査・監督委員会の権限等の在り方

議事の超概略
(経産省)上場企業の98%は,監査役会設置会社です。その監査役会設置会社においては,監査役会とは別に監査委員会を3割の企業が設置しています。監査役が非業務執行の取締役を兼ねることができるようにするような制度設計の変更によって,実態に即した形で監督機能を強化し,充実していくことを考えるべき
現在の制度は変えずに権限・名称だけ変える
(東証)。現在の監査役会がこのままこの監査・監督委員会に移行したと仮定しますと,その場合には,取締役会に少なくとも2名の社外取締役が存在するという形になるわけで,これであれば,余り会社にとっても無理がありませんし,投資家の要望にもかなりの部分で応えることができるのではないか
そうですか、東証も説明し易くすればよいと言う思いですか
(日立)この提案自体がコーポレート・ガバナンスの組合せの一つになるということに関しては前向きに考えつつ,実務上の課題,選択肢となり得るための条件ということについては,更なる検討を,時間を掛けて進めていきたい
経団連は大賛成かと思っていましたが少し引き気味のようです
(築舘会長)実際に各企業がどのくらい今回の提案に魅力を感じるのか,乗ってくる可能性があるのかという辺りを,当たりを付け,可能性を現実問題として少し探りながら行くことが望ましい
確かに、執行しないから独立性が保たれると言う思いの監査役は多いようです。
(京大前田)監査・監督委員会に指名委員会,報酬委員会の機能を一部代替させるという,取締役会全体の独立性を高める何らかの工夫が重要。余り利用が期待されないのであれば,会社法の下ではただでさえ機関設計は随分ややこしくなっておりますので,これ以上複雑にするのは賢明ではない
監査委員会に指名・報酬委員会の責任も来ると、さらにさらに重くなりますね。
(同志社大伊藤)取締役会の専決決議事項の範囲を議論すべき
ここから、まず基本から考えましょうと言う根本に戻りました。
(東大藤田)三委員会を置いて,独立性の高いボードらしきものを作るというのが,委員会設置会社の基本思想。二つの委員会を省略する代わりに権限委譲を制約するといったバランス論は非常に違和感があります。むしろ正式に意思決定に関与し投票権を持つような人がモニターしたほうが,かえって実効性があるのだといったことを正面から言う必要があるのだと思います。
今まで求められていた独立性と真っ向から違う視点です。
(東大田中)この20年の経験の中で,現在の企業パフォーマンスの悪さは,もしかすると,例えば会社法が足かせをはめていたということよりは,根本的に日本企業のガバナンス構造に問題があるのではないか。
ガバナンスが向上すればパフォーマンスが向上すると言うのは???
現在の監査役が取締役会で一票を持つという形の制度になると,多くの国外の投資家は,その一点だけでガバナンス機能の強化になっているという評価になるのではないか。
先ほどと同じく、決定権がないから独立しているのか、あるからガバナンス機能があるのか
(弁護士)監査役会設置会社制度という,約98%の上場会社が選択している制度よりも,少なくとも同等又はそれ以上の監督機能がこれによって期待できるのかの検証が,導入に当たり必要。自己監査という問題が恐らく付きまとう。
監査・監督委員会制度が,社外取締役のみで構成されるとしたら,あるいは恐らく非常勤というか,非業務執行者のような方と社外取締役で構成される形になっているとしたら,社内のことがよく分からずに取締役会の前後だけ会社に行くとなると,常勤者がいない,そうすると,今の監査役会制度よりも監査機能の点で劣ることが起こる
常勤監査役と社外監査役のバランスが必要だと思います。
(東大神作)単純に社外取締役の設置を一定の範囲の株式会社に義務付けるという線も残していただければ。社外取締役に機能してもらうためには,取締役会を軽くすると言いますか,取締役会の負担を減らして業務執行に関する文字どおり重大な決定に集中しないと,社外取締役の監督機能を存分に発揮してもらうことは余り期待できないのではないか
社外取締役の義務付け?
(早稲田大上村)この議論は,一見すると非常にオプションが増えてという話に聞こえますけれども,恐らく,機関が一本化していくプロセス。基本的な概念そのものをきちっと見直して,望ましい機関を構築すべき
(京大斉藤)日本の上場会社の経営者の選任の在り方というのは,特に外国の方から見ますと,ごく一部の人の手に握られている。社外取締役の登用を,ある程度,法で後押しいたしますと,人材の流動化が促進される可能性があるのではないか。
(中央大野村),本来ならば執行と監督を分離するというコンセプトでありながら,現行法はそうなっていません
(日立)コーポレート・ガバナンスの善し悪しと企業のパフォーマンスの相関は見られません。社内の事情に通じていない方々だけで監査・監督をした場合に有効性なり実質性が担保できるのか
(東大神田)現在,会社で社外監査役として務めておられる方が社外独立取締役になるということも含まれているのではないかと私は認識します。そこで,厳密にいえば前回のテーマになってしまうのですが,会社は定款で監査役が取締役会に出席をし,かつ取締役と同等の議決権を行使することができると定めることができるという選択肢を認めてはどうかと思います。
はてさて、まだまだ議論は尽きないようです。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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