重不況の経済学-3

ようやく「重不況の経済学」向井文雄著を読み終えました。
とっても難解ですが、濃い内容です。それを私の勝手な解釈で超概要に置き換えて紹介すると

5章 非価格競争  
・コスト低減による付加価値の縮小と販売数量の増大という政策セットを見直すべき。
・魅力ある新製品を不断に作り出し続ける事によって需要を創出すべき。
 (数量重視から製品あたりの付加価値額重視へ)
・開発期は高い製品開発力が、成長期は高い生産技術力が、成熟期はコスト競争力や販売力が求められる。
・どのステージを目指して経営のエネルギーを注ぐかが課題。
・ソニーは高い製品開発力とデザインで凌駕したが、成熟期のコスト競争に移行して沈滞している。
・イギリスのように金融市場で稼ぐ選択肢もあるが、パイは小さく難しい。
・コスト競争力を付けようにも、途上国とは桁が違って、構造改革の弊害ばかりが残ってしまう。
・目指すべきは、生産性よりも高コスト維持による付加価値総額の向上。
・そのためには、「魅力ある商品」「価格競争に晒されない参入障壁の高い商品」
・魅力ある商品;ブランド、デザイン、ニッチ市場、信頼、ブルーオーシャン(競争相手のいない市場)
・参入障壁;高度技術、開発スピード、特許、貿易障壁、距離
・途上国の市場はマス市場、先進国の市場はニッチ市場

6章 北欧型政府論
・北欧は需要を安定化する仕組みを政府財政の役割に組み込んだ。
・不足する民間需要の代わりに政府が消費・投資する。
・日本の財政規模は23%で、OECD29ヶ国中28番目。(英38.5%、米26.1%)
・社会保障負担率を加えた「国民負担率」は日本38.9%で25位。(仏62.4%、伊60.3%、独52%)
・仮にイギリス並みに税と社会保障費を徴収すれば、税収等は40兆円増えて財政赤字問題は解消する。
・法人税の引き下げは設備投資に繋がらないため、代わりに「設備投資減税」を実施すべき。
 (アメリカは研究投資を1年で償却という大胆な政策を実施)
・当面は研究開発と公共事業への投資によって経済成長を目指し、成長が軌道に乗れば、医療・福祉への一定程度の支出によって経済の安定化を図っていくべき。
・1997~2007の10年間で日本のGDPは1.03倍になったが、仏は1.79倍、伊は1.76倍になっている。成長があれば累積債務の規模も小さくなる。

と言う内容でした。
向井氏とは地方情報化の具体策を検討し、使いやすいテレビ会議システムを提案した事があります。
その時に彼は、テレビ会議室に装置を置くのではなく、全員のパソコン数千台から会議に参加出来る計画を付加されました。
残念ながら、中央官庁のご理解が得られず会議室だけの設置になりましたが、彼の案が実現していたならば、アップルのiPodやIPadのように、新しいイノベーションがいくつも展開されていたかも知れません。
日本が生き残るためには、トライ&チャレンジ、そして政府の財政出動が欠かせません。

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重不況の経済学関連ブログ設置

 こんにちは。著者の向井です。ありがとうございます。その切はたいへんお世話になりました。

 大学の先生からも「わかりにくい。2度読んですっきりわかった」などというお話しがありました。
 ということで、ターゲットを絞った方がわかりやすいだろうと思い、昨年末から、「財政出動論」に主なターゲットをしぼって、ブログを書いています。

 不定期に(週に1,2回程度)更新し、財政出動にまつわる問題に関してこれまでに二十本弱のテーマについて書いています。

 よかったら見てくださいませ。URLは上記のとおり、googleで『財政出動論』で検索すると、今のところトップヒットするようです。ブログの表題は、"Turedure Keizai"です。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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