監査役の覚悟16 弁護士の意見聴取

日本監査役協会の監査役監査基準がH23.3.10に7年ぶりに見直され、(監査役の心構え)第3条5に「監査役は、監査意見を形成するにあたり、よく事実を確かめ、必要があると認めたときは、弁護士等外部専門家の意見を徴し、判断の合理的根拠を求め、その適正化に努めなければならない。」と弁護士への相談が明記された。

月刊監査役臨時増刊号No583に、武井弁護士は「弁護士への相談」を明記した理由を書いておられる。
・監査役としては、自らの善管注意義務を果たす上で、自らの法的責任を理解しておくためにも、弁護士等への相談を積極的に行うことはもはや必要不可欠
・監査役の行った行為・判断が弁護士に相談した上での帰結であれば、任務懈怠責任は問われない傾向も見られる。
・監査役が独自に弁護士に相談するか、業務執行者に弁護士に相談するように求めるかはケースバイケース
・不祥事の兆候を知った場合は、業務執行者に対して一定の対応を求めるほかに、監査役会の協議等も経て弁護士にも相談した上で、第三者委員会を立ち上げる必要がある。
・監査役が職務に関して依頼した弁護士費用について会社が支払いを拒否できる正当な理由はほとんどなく、会社負担となる(会社法388条)ため、監査役としては監査予算等への配慮から弁護士に相談しない場合も多い。しかし、危機対応を誤った場合、巨額の損害が会社に生じる危機時であり、平時予算で算定されている監査予算とはそもそも射程が異なる。

ただ、前回記載したように、会社法の専門家は非常に少なく、また弁護士事務所のドアをノックするのは料金表が張り出されていない寿司屋に入っていくようなものだとすると、弁護士に相談するのは非常に敷居が高い。
しかし、いざとなってからどうすれば良いのか調べても時間が経つばかりなので、日頃から準備を進めておく必要がある。やり方として考えられるのは、
・会社の顧問弁護士以外の弁護士と顧問契約を結び、定期的に懇談する。(お金が掛かるし、必要な専門家とは限らない)
・会社の法務部門に依頼して、顧問弁護士と定期的に懇談する。(いざという時に顧問弁護士は担当できない)
・日本監査役協会の相談室を利用する。(日程が限定されるが、30分は相談出来る)
・日本監査役協会のNET相談室の回答事例を見たり、直接相談する。(ベテラン監査役等の意見が聞ける)
・著作や講演会などの実績を見て、専門分野ごとの弁護士をリストアップしておく。(著作や講演をされない地道な弁護士が分からない)
などでしょうか。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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