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監査役の覚悟14 監査役と会計監査人

別府正之助様から次のコメントを頂きました。監査役には経営者とも会計監査人とも真摯な協議が求められます。

「監査役の覚悟 - 会計監査人の監査報告」へのコメント

 新米監査役さんのメモについては、特に異議はありませんが、監査役の覚悟というからには、「経営者を擁護するのだけが監査役の役割ではない、時には経営者と向き合って説得に努めなければならない」、「会計監査人に存分に監査してもらって厳正な意見を出してもらうようサポートする」、「正しい財務諸表を公表することで会社を強くしていく」という覚悟が必要です。

1.監査役の立ち位置
 財務諸表の作成責任が、社長(最高経営責任者)にあることは当然である。
 一方、監査役は、会計監査人をしてその適正性を検証させる役割を担っている。換言すれば、経営者に適正な財務報告をさせるのが監査役の責務であるとも言える。
 監査役は、自ら監査する代わりに会計監査人を雇って会計監査の業務委託をしているのであり、監査役が会社側の一員として会計監査人と対峙する関係ではないことをまず理解しなければならない。会計監査人の監査を支援する立場である。
 しかし、会計監査人の主張があまりに教条的で、極端すぎるような場合には、経営者の考えに賛同して会計監査人の交代に同意することもありうる。
 経営者と会計監査人の間にディスピュートが生じたら、双方の話を十分に聴取して、自ら是非を判定する行司の役目が求められているのである。

2.監査意見ごとの監査役の対応
(1)無限定適正意見(Unqualified opinion)
 財務諸表の適正性が証明されたわけだから、監査役としては一安心である。
 しかし、会計監査人が十分な監査を行ったのか、浮き彫りになった争点をどのように解決又は妥協したのか、会計監査人は経営陣の言いなりになっていないかなどを検証する必要がある。

(2)限定付適正意見(Qualified opinion)
 どのような限定事項なのか、その重みを評価する。
 軽微と判断すれば適性意見に準ずると考えてよいが、重大事項であればその解決を経営陣及び会計監査人と話し合う必要がある。
 限定意見とせざるを得ないのはなぜか、注記事項で済ませられないのか、会計監査人の見解をじっくり聴取する。
 その上で、無限定にするためにとるべきこれからのアクションを経営陣と話し合う。

(3)意見不表明(Disclaimer opinion)
 不確実な重大事項が存在する、内部統制や会計制度があまりにもずさんである、監査への協力が得られないなどの場合には、監査意見を表明できない、(監査不能)との意見が出される。
 この場合は、監査役が経営陣に対して、監査に耐えうる体制の整備を強く迫る必要がある。

(4)不適正意見(Adverse opinion)
 適正ではないとの意見が付された財務諸表を公表することはありえないので、監査役が取るべき対応は次のいずれかとなる。
A.会計監査人の主張に理があると判断すれば、指摘されている問題点を修正した財務諸表を作成するよう、経営者に要求する。
 会計監査人の交代を主張する経営者に対しては、むやみな交代は信用を失うことを説き、問題点を解決することが会社のためであると説得する
B. 経営陣の主張に賛同して、会計監査人の変更を考える。
 会計監査人が、あまりに狭くルールを解釈している、あるいは極端に保守的な会計処理を要求する場合も考えられる。
 経営者の主張に賛同する場合は、会計監査人の交代に同意することになる。監査役は、なぜ同意するのかその論拠を明確にしておき、必要に応じ株主総会の場などで説明する。

 A,Bのいずれを選択するかは、監査役自らが判断しなければならない。
 経営者がこういっているからとか、プロの会計監査人の判断だから、と他人の判断に盲従するだけでは役目を果たしたことにならない。
 会計の専門家ではないが、企業人として長年にわたり培ってきたコモンセンスをベースにして、自らの判断に責任を持つ覚悟が求められている。                              以 上

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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