鉄の骨  談合問題

下町ロケットで直木賞を受賞した池井戸潤の「鉄の骨」を読む。
テレビでドラマ化されたが、やはり本の方がずっしりと重たい。

現場から業務課に転勤となった平太に、上司の永山が言う。
「正しい事ばかりが正しいわけじゃないから。業務課ってのはそういう所だ。」
業務課での上司、西田も言う。
「だけどな、役人だって談合を利用しているんだ。談合がなくなって困るのは、実のところ役人の方じゃねえか」
「予算が足りなくなると、どこかの会社に頭を下げてやってもらうって話になる。」
「なにしろ入札に参加できなきゃ話になんねえ。どの業者を入札に呼ぶかは役人が決めるんだ。そういう人に、頼む、ここは泣いてくれ、といわれれば次の事もあるだろう。仕方ねえなって話になる」

談合は必要なんですか。
「工事価格の叩き合いになってみろ。各社こぞって最低落札価格に探りを入れ、その近辺での叩き合いになる。仮に落札出来たとしてもそんな値段じゃあ、やっていけない。受注して赤字じゃ話になんないだろ。だから調整が必要になってくる」
仕組みが変わらなきゃ談合はなくならない。
「普通にコストを見積もって札を入れるだけの入札をしていては工事は取れなくなる。自由競争になれば採算度外視で多少の赤字でも仕事がないよりましだという会社が、採算度外視で札を入れてくる。そういう腐りがけの会社のダンピングが続けば健全な会社までもがおかしくなる。そうなれば、中小零細なんかあっという間に倒産さ。大量の失業者が出て、経済は大混乱に陥る」
違法でも?
「俺だっていいとは思っていない。旧来の仕組みのままじゃ談合をなくしたところでいい事は何もない。いま大切な事は、とにかく生き残っていく事よ。奇麗事じゃやっていけないって事よ」
しかし、調整を行ったうえで、絶対本命として目された道路工事は、新規参入の土建屋に負け、次の地下鉄工事の受注を目指すが、超大物フィクサーが調整に入ってくる。

入札談合等関与行為防止法という法律が平成15年1月に施行されたが、その後も官製談合事件が続いたため、平成19年3月より刑事罰が導入されるなど大幅な改訂が行われた。
独占禁止法も平成18年1月に改正され、違反者に対する課徴金算定率の引上げ、違反事実を自ら公正取引委員会に申告した企業に対する課徴金の減免、公正取引委員会に対する犯則調査権限(強制的に捜索・押収できる権限)等が導入された。
官製談合の主な事例と防止対策

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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