和をもって尊しとなす

12月2日のブログ「オリンパス再生への道」で「和をもって尊しとなす」農耕民族の日本文化と狩猟民族の違いを感じます。」と書いたら、次のコメントを頂きました。

新米監査役様
いつも読ませて頂いており、勇気を頂戴しております。

さて、聖徳太子の「和をもって尊しとなす」は「和をもって尊しとし、・・・・上和らぎ、下睦びて、事を論(あげつら)うに諧(かな)うときは、事理おのずから通ず。何事か成らざらん。」と続きます。仏教を基本とした和の心を持って上下へだて無く議論を十分に行い重要な事を決めることを重視しておられます。つまり民主的会議の精神をすすめているのです。トップによる独裁や、監査役が不正を見ても黙っている事とは対極にあります。日本の取締役会、監査役会は「和をもって尊しとなす」精神からも全く外れている訳です。猛省を促したいです。

今後とも火の出る様な文章をお願いします。木枯らし紋次郎でした。


ネットで検索すると、
談論風発によって議論を決すべし、という解釈が正しようです。
薄学を猛省すると共に、今後ともご指導をお願いいたします。
「和を以て貴しとなす」の真意

十七条の憲法から現代語訳を引用させていただくと、
一に曰(い)わく、和を以(も)って貴(とうと)しとなし、忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ。人みな党あり、また達(さと)れるもの少なし。ここをもって、あるいは君父(くんぷ)に順(したが)わず、また隣里(りんり)に違(たが)う。しかれども、上(かみ)和(やわら)ぎ下(しも)睦(むつ)びて、事を論(あげつら)うに諧(かな)うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん。

二にいう。あつく三宝(仏教)を信奉しなさい。3つの宝とは仏・法理・僧侶のことである。それは生命(いのち)ある者の最後のよりどころであり、すべての国の究極の規範である。どんな世の中でも、いかなる人でも、この法理を尊ばない事があろうか。人ではなはだしく悪い者は少ない。よく教えるならば正道にしたがうものだ。ただ、それには仏の教えに依拠しなければ、何によって曲がった心を正せるだろうか。

三にいう。王(天皇)の命令をうけたならば、必ず謹んでそれに従いなさい。君主はいわば天であり、臣下は地にあたる。天が地をおおい、地が天を載せている。かくして四季が正しくめぐりゆき、万物の気が通う。それが逆に地が天をおおうとすれば、こうした整った秩序は破壊されてしまう。そういう訳で、君主が言う事に臣下は従え。上の者が行う所、下の者はそれに習うものだ。ゆえに王(天皇)の命令を受けたならば、必ず謹んでそれに従え。謹んで従わなければ、やがて国家社会の和は自滅してゆく事だろう。

四にいう。政府高官や一般官吏たちは、礼の精神を根本に持ちなさい。人民を治める基本は、必ず礼にある。上が礼法にかなっていないときは下の秩序は乱れ、下の者が礼法にかなわなければ、かならず罪を犯す者が出てくる。それだから、群臣たちに礼法が保たれているときは社会の秩序も乱れず、庶民たちに礼があれば国全体として自然に治まるものだ。

五にいう。官吏たちは饗応や財物への欲望をすて、訴訟を厳正に審査しなさい。庶民の訴えは、1日に1000件もある。1日でもそうなら、年を重ねたらどうなろうか。このごろの訴訟に携る者たちは、賄賂(わいろ)を得る事が常識となり、賄賂(わいろ)を見てからその申し立てを聞いている。すなわち裕福な者の訴えは石を水中になげこむようにたやすく受け入れられるのに、貧乏な者の訴えは水を石に投げ込むようなもので容易に聞きいれてもらえない。このため貧乏な者たちはどうしたら良いか分からずにいる。そうしたことは官吏としての道に背く事である。

六にいう。悪を懲らしめて善を勧めるのは、古くからの良いしきたりである。そこで人の善行は隠す事なく、悪行を見たら必ず正しなさい。へつらいあざむく者は、国家を覆す効果ある武器であり、人民を滅ぼすするどい剣である。またこびへつらう者は、上には好んで下の者の過失を言いつけ、下に向かうと上の者の過失を誹謗(ひぼう)するものだ。これらの人たちは君主に忠義心がなく、人民に対する仁徳も持っていない。これは国家の大きな乱れのもととなる。

七にいう。人にはそれぞれの任務がある。それにあたっては職務内容を忠実に履行し、権限を乱用してはならない。賢明な人物が任にあるときはほめる声がおこる。よこしまな者がその任につけば、災いや戦乱が充満する。世の中には、生まれながらにすべてを知りつくしている人はまれで、よくよく心がけて聖人になっていくものだ。事柄の大小にかかわらず、適任の人を得られればかならず治まる。時代の動きの緩急に関係なく、賢者が出れば豊かにのびやかな世の中になる。これによって国家は長く命脈をたもち、危くならない。だから、いにしえの聖王は官職に適した人をもとめるが、人のために官職をもうけたりはしなかった。

八にいう。官吏たちは、早くから出仕し、夕方おそくなってから退出しなさい。公務はうかうかできないものだ。一日じゅうかけてもすべて終えてしまうことが難しい。従って、遅く出仕したのでは緊急の用に間にあわないし、早く退出したのでは必ず仕事をし残してしまう。

九にいう。真心は人の道の根本である。何事にも真心がなければいけない。事の善し悪しや成否は、すべて真心のあるなしにかかっている。官吏たちに真心があるならば、何事も達成できるだろう。群臣に真心がないなら、どんなこともみな失敗するだろう。

十にいう。心の中の憤りをなくし、憤りを表情に出さぬようにし、他の人が自分と異なった事をしても怒ってはならない。人それぞれに考えがあり、それぞれに自分がこれだと思う事がある。相手がこれこそといっても自分はよくないと思うし、自分がこれこそと思っても相手は良くないとする。自分は必ず聖人で、相手が必ず愚かだというわけではない。皆ともに凡人なのだ。そもそもこれが良いとか良くないとか、誰が定め得るのだろう。お互い誰も賢くもあり愚かでもある。それは耳輪には端がないようなものだ。こういう訳で、相手がいきどおっていたら、むしろ自分に間違いがあるのではないかと恐れなさい。自分ではこれだと思っても、みんなの意見に従って行動しなさい。

十一にいう。官吏たちの功績・過失を良く見て、それに見合う賞罰を必ず行いなさい。近頃の褒賞は必ずしも功績によらず、懲罰は罪によらない。指導的な立場で政務にあたっている官吏たちは、賞罰を適正かつ明確におこなうべきである。

十二にいう。国司・国造は勝手に人民から税を取ってはならない。国に2人の君主はなく、人民にとって2人の主人などいない。国内のすべての人民にとって、王(天皇)だけが主人である。役所の官吏は任命されて政務にあたっているのであって、みな王の臣下である。どうして公的な徴税と一緒に、人民から私的な徴税をしてよいものか。

十三にいう。いろいろな官職に任じられた者たちは、前任者と同じように職掌を熟知するようにしなさい。病気や出張などで職務にいない場合もあろう。しかし政務をとれるときにはなじんで、前々より熟知していたかのようにしなさい。前のことなどは自分は知らないといって、公務を停滞させてはならない。

十四にいう。官吏たちは、嫉妬の気持ちをもってはならない。自分がまず相手を嫉妬すれば、相手もまた自分を嫉妬する。嫉妬の憂いははてしない。それゆえに、自分より英知がすぐれている人がいるとよろこばず、才能がまさっていると思えば嫉妬する。それでは500年たっても賢者に会う事は出来ず、1000年の間に1人の聖人の出現を期待する事すら困難である。聖人・賢者と言われるすぐれた人材がなくては国を治める事はできない。

十五にいう。私心を捨てて公務に向かうのは、臣たるものの道である。およそ人に私心があるとき、恨みの心がおきる。恨みがあれば、必ず不和が生じる。不和になれば私心で公務を取る事となり、結果としては公務の妨げをなす。恨みの心がおこってくれば、制度や法律をやぶる人も出てくる。第一条で「上の者も下の者も協調・親睦の気持ちをもって論議しなさい」といっているのは、こういう心情からである。

十六にいう。人民を使役するにはその時期をよく考えてする、とは昔の人のよい教えである。だから冬(旧暦の10月~12月)に暇があるときに、人民を動員すればよい。春から秋までは、農耕・養蚕などに力をつくすべき時である。人民を使役してはいけない。人民が農耕をしなければ何を食べていけばよいのか。養蚕がなされなければ、何を着たらよいというのか。

十七にいう。物事は一人で判断してはいけない。必ず皆で論議して判断しなさい。些細な事は、必ずしも皆で論議しなくてもよい。ただ重大な事柄を論議するときは、判断をあやまることもあるかもしれない。そのときみんなで検討すれば、道理にかなう結論がえられよう。

素晴らしい十七条の憲法の精神を学び、風通しのよい風土作りに努めたいと思います。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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