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JR西日本 福知山線脱線事故

2005年4月25日に発生したJR西日本福知山線脱線事故が、改めて脚光を浴びている。
事故調査委員会の報告書案が事前に社長に周知され、JR西日本に不利になる恐れのある表現を修正するよう求めた疑いである。

福知山線事故とは塚口から尼崎間の半径304mのカーブで、制限速度70kmのところを116kmを出していたために曲がりきれず、マンションに突っ込み、107名の死亡者、562名の負傷者を出した列車転覆事故。
原因はスピードオーバーだが、それにいたる根本原因として次が言われている。
・JR民営化後の競合する私鉄への対抗意識
・秒単位の列車定時運行目標(制限速度を超えての運行が常態化)
・設備投資不足(自動列車停車装置が旧型)
・事故を起こした運転士の運転技術未熟(運転暦11ヶ月。民営化による人員削減で運転技術を教えるベテランが少ない)
・運転士は事故前に複数のミスを犯し、事故時はもみ消し依頼の無線電話中
・ミス時の処分である日勤教育が運転士のプレッシャーを増大(半年前に国会議員より重大事故を起こしかねないと指摘)

また、事故直後に同乗していた運転士が救助活動を行わなかった、事故当日の懇親会を中止しなかった、なども更に非難された。

2006年2月1日付で南谷会長と垣内社長は退任、外部の住友電工から倉内氏を会長に迎えるとともに、山崎副社長が社長に昇格。
しかし、山崎社長は事故当時の安全担当役員として2009年7月8日在宅起訴され辞任し、真鍋氏が社長に就任。

一連の事故に至る経緯、そして事故後の処理を見ると、JRの民営化に伴う膿が表面化している。
総括原価主義から競争主義へと背景が180度変わり、投資と人員が減らされ、設備と技術が弱体化した。
それを糊塗するために現場ではミスを隠し、経営者も責任を取らない。
これでは重大事故が発生するのは必定である。
新しく就任した真鍋社長は、「事故を組織的、構造的課題と認識しており、経営を担ってきた者に重い責任がある」とし、「会社全体の責任としてとらえなければならない」と表明している。
私鉄との競争に勝つため経営を効率化しつつ、社員の自信と誇りと技術力を高め、かつ設備安全性を確保することは、困難ではあるが、JRが社会に必要な会社として生き残るためには必須の課題である。
ぜひ、事故を忘れずに不断の経営改革をやり遂げ、素晴らしいJRに変革して行って頂きたい。

この事故から学ぶことは大変多い。
しかし、事故後に、「安全第一」、「風通しの良い明るい職場」、「お客さま視点」を指摘するのは容易いことだが、私鉄に負けてはいけない、コストを下げて、スピードを上げて、効率化、収益拡大、・・・・といったプレッシャーが蔓延している中で、指摘し改善出来るものだろうか。
福知山線事故を他山の石として、日頃を今一度チェックし、少しでも問題点をつぶしていきたいものだ。

テーマ : ビジネス
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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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