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買収者

牛島信弁護士の小説「買収者」を読む
買収者

「先生、あの男をビジネスマンとして二度と立ち上がれないようにしたいんだ」大木弁護士は驚いた。
依頼者は65歳の功成り名を遂げた長野。
かつての先輩で今は犬猿の仲の大物財界人栗山の62歳の妻英子を奪うため、彼の会社を乗っ取るという。
株主代表訴訟、公開買付、第三者割当などを駆使した合法的復讐=敵対的買収を描く。

「栗山なんか捨てて僕とやり直したらいいじゃないか」
「そんなことできない。私もう62よ」
「僕たちは少しも変わっていない。外観が少し変わっても心は同じまま。何も要らない。そのまま玄関のサンダルを履いて通りすがりのタクシーに乗ればよい。僕は玄関でタクシー代を握りしめて立って待っているよ」


栗山は子会社の不動産会社に相場を遥かに超える賃料を支払い、そこから利益を吸い上げていたが、長野はその証拠をつかみ、株主代表訴訟を仕掛ける。
「権力者の公私混同について始めに言い出すものには全く力など無い。
しかし、証拠がある場合には「抑えるのはおかしい」となって身内で反乱が起き、辞任すべきだと言うところまで、一瀉千里だ。」

監査役は、株主に指導権を握らせまいと、会社を代表して栗山を提訴する。
株主総会を前にして、持たないと判断した栗山は、退任し退職金も放棄し、和解する。

しかし、栗山が依然として子会社の会長に留まっているため、長野は手を緩めず、公開買い付けを仕掛ける。
「会社が自分のものになれば、追い出す以上の事が可能になります。」
「追い出す以上の事とは?」
「はっはっ「何もかも」なんでしょう」

栗山は第三者割当増資で長野の持ち分を抑え込む。

長野は増資を引き受けたアメリカの会社を説得し、協調することで過半数を確保し、株主総会で取締役全員を入れ替える。

老婆のためにここまでするかよ、と思うが、人間の思いの中で一番強いのが恨みだと聞いた覚えがある。
何もかも手に入れた男が、やり残したたった一つの事は、昔の女への思いと、その亭主への恨みを晴らす事。
くれぐれも人から恨みを買わないようにしなければいけないですね。
もっとも昔の恨みはもうすでに消す事は出来ないのかも知れませんが。

この小説の中での金言
自分で自分のことを褒める人間を信用したりしない。
いい仕事さえしていれば、たくさんの人間が無償で広告塔を引き受けてくれる。


重要なことは依頼者が満足するような結果に到達することだ。
それは必ずしも勝つことだけを意味しない。

人間なんてものは理屈からは学ばない。
学ぶのは経験、それもわが身がやけどしたと言った切実な経験からだけだ。

公開買い付けと言う方法によれば、自分で一方的に買い付けの値段を決めることが出来る。
過半数の株が集まる見通しが立たなければ、全然買わないことも自由。
こちらよりも高い値段で買い取りたいと思う人間は、その人間も自由に値段をつけて公開買い付けに参加できる。衆人環境のオークションだ。

CPA(公認会計士)という連中は、世の中にはCPAとCPA以外の二種類の人間がいると思っている。
CA(勅許会計士チャータードアカウンタント)だと言う人もいる。

この国の犯罪捜査機関は前首相でも逮捕する。
すべて必要度による。どんな人間にも値段がある。

顧問弁護士は、原則として現在の代表取締役を支え、経営陣のしていることを正当化する。
公認会計士は、会社から給料をもらいながら、会社の外の人間たちのために働いている。

裁判所はどんな人間の申出でも、決して入口では拒まない。


はてさて、司法界と言うところは、世間様とは全く違った世界のようで、くわばらくわばら

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プロフィール

新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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