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利益相反

牛島信弁護士の小説「利益相反」を読む
利益相反

利益相反は、ついつい気が付かずにやってしまう。
特にオーナー企業に於いては、自分の会社同士の取引において、その時の利益をどう付けようが勝手でしょ、という意識だと思うが、上場した瞬間に、その企業はオーナーの手を離れたと言う事を意識しなければいけない。
この小説においての利益相反は、親子間の葛藤も描く。

しかしこのブログに於いては、この小説にちりばめられた、裁判、監査役、会計監査人に関する金言を整理する。

P52「法律の世界では裁判が事を決する。裁判となれば、裁判官が五感で分かることしか通用しない。ビジネスマンとは違う世界がこの世には存在して、好きでも嫌いでもビジネスマンは時々その世界と交差し通過しなくてはならない。」
「(弁護士と言う)案内役がいないと大変なことになる」

P135「監査役は4年ごとに任期が来る。任期が4年あれば人事権を握っている社長から独立した判断が出来るのではないかと言う期待を込められた年数なのだ。」
「と言って、55歳で監査役になった人間が社長の気に入れば任期の明けた59歳で別の子会社に行けると言う思いを持てば、絵に描いた餅でしかないだろう。」
「それ以前に、社長の意を迎えることばかりしか浮かばないような人間でなければ、そもそも監査役にはしてもらえない。」
「会社法は、そうした形ばかりの監査役の存在することを予期してか、社外監査役という制度を持っている。」

P136「監査役はそれなりに力を持っているが、実際に力を出すことは無い。そんな人物は監査役にならない。」
「監査役を選ぶのは株主総会だと言っても、実際には社長が決めるからだ。社長の言うことを聞かない取締役、監査役は任期が終わったところで再任されない。株主総会は社長の意思に取締役を従わせる道具になっている会社が多い」

P148「顧問弁護士が監査役を兼ねると猛獣になる。猛獣のルールはルールを外さないこと。」

P163「戦後の機関に関する改正の歴史は、監査役制度の強化の歴史」だが、
「仏像をいくら巧みに作っても魂を入れなければ無意味」であり、
「監査役制度の改正の歴史は表面だけを糊塗する歴史」になっている。
「仏像に魂を入れるつもりが端から無いから、こんな権限を独任の役職に与えたのか」

P157「私は御社の会計監査役ですよ。監査証明も決まりきった定型のラバースタンプなんかではない」
「だから何も見なかった事に」
「もうそんな時代ではありません。あなたの知っていることが会社に著しい損害を及ぼす事実なら、あなたは既に監査役への報告義務が発生している。」
P292「金商法が監査法人にも大きな義務を負わせている」

P269「弁護士の収入は到底豊かな依頼者には及びもつかない。ところが、その依頼者が、弁護士の目から見ると一人残らずとんでもない愚か者に見える」

P301「大廈(たいか)の将(まさ)に顚(たお)れんとするは、一木の支うる所にあらず」

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茶番劇

私も以前読みましたが、新米監査役さんが抜粋しておられる以外にも下記の様な箇所に赤線を引きました。

P56 「樋山は社外取締役というものの意義なぞ、もともと少しも信じていない。自分のところの社外取締役は違う。俺が知り合いから勝手に選んで、適当に小遣いをやっているに過ぎないとしか思っていなかった。どの社長だって、コントロールできない人間は選ばない。そう樋山は信じていた。

会社法改正に向けて、社外取締役を増やせと騒いでいる様ですが、この言葉通り、ほとんど意味は無いでしょう。

P204 「社長。臨時株主総会を監査役解任のためなんかに開くんですか?それはやめたほうがいいです。マスコミで話題になります。理由はなんだ、ってことになります。監査役の解任なんて、ほとんど聞いたことがありません。」

でもやってしまった、馬鹿な会社がありましたね~。その後どうなってるんだか?

プロフィール

新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
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