ミルグラムの実験

ある講演の中で、「ミルグラムの実験」が紹介された。
不勉強にも始めて聞く内容だが、人間の根源的な性(サガ)について示されており、なぜ人は変るのか、という疑問への回答でもあると思うので、記録として整理します。

数百万人のユダヤ人を強制収容所に送ったアイヒマンは、家族の誕生日に花を贈る普通の人だった。
彼は、なぜ冷酷無比の非情の行動を行ったのか。
普通の人が、普通の社会から見ると異常な行動をとることはありうるのか、ということを確認するために、イエール大学のスタンリー・ミルグラム博士が行った実験

新聞広告で「記憶に関する実験」への協力者が募集され、イエール大学で実験が行われた。
くじ引きで、教師と生徒に分かれ、4択の質問が教師役から生徒役に次々と出される。
生徒が間違えると、教師役は罰を与えるスイッチを入れ、生徒の身体に電圧が加えられる。
しかもその電圧はだんだんと高くなる。
75ボルト、120ボルト、135ボルト、150ボルト、180ボルト、270ボルト、300ボルト、・・・、450ボルト

75ボルトの電圧でも、かなり衝撃が来る。 200ボルトになると、ショック死をしかねない。
別の学生たちに対して、実験結果を予想する事前アンケートが実施された。
回答者は全員、実際に最大の電圧を付加する者はごくわずか(平均1.2%)だろうと回答した。

さて、実験では、
先生役が生徒役の苦しみを見て実験の続行を拒否しようとした時に、白衣を着た権威のある博士らしき男が感情を全く乱さない超然とした態度で次のように通告した。
・続行して ください。
・この実験は、あなたに続行して いただかなくては。
・あなたに続行して いただく事が絶対に必要なのです。
・迷うことはありません、あなたは続けるべき です。

その結果、生徒役は
75ボルトになると、不快感をつぶやき、
120ボルトになると、大声で苦痛を訴え、
135ボルトになると、うめき声をあげ、
150ボルトになると、絶叫し、
180ボルトになると、「痛くてたまらない」と叫び、
270ボルトになると、苦悶の金切声を上げ、
300ボルトになると、壁を叩いて実験中止を求め、
315ボルトになると、壁を叩いて実験を降りると叫び、
330ボルトになると、無反応になる。
それでも、62.5%の教師役は450ボルトまで、罰を与え続けた。

実際には、生徒役になった協力者はサクラであり、苦悶の演技を行ったので、怪我したり死んだ人はいない。
しかし、先生役はそのことを知らずに罰を与え続けたわけで、本当に電圧が掛かっていれば、330ボルト以上で生徒役は全員死亡しただろう。

この実験結果からすると、私は間違った事や恥ずべき事は絶対にしません、人を危めるなんて事は考えた事もありません、と言い切れる人はいるのだろうか。
人は弱い。
正当化されると、どんな悪事でも、必要な事なのだ、という思い込みで、人は容易に変ってしまうのではないだろうか。

だからこそ、周りに、相談できる仲間、気づかせてくれる仲間が必要なのです。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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