富山市議会 12人が政務活動費不正受給による辞職

何という体たらく
富山市民として恥ずかしく、各地から富山市議会はどうなっているのだ、とお叱りを受ける。

富山市議会のここ一年の動きから報告しよう。

2003年に引下げられた議員報酬が大幅にアップされた。
十数年間も改訂されていないそうだが、それでもここ何十年もベースアップが抑えられてきた大衆からすると、10%以上の驚くべき増額であり、世論調査では80%が反対していた。
新聞記者が議員に質問すると、なんと答えないばかりか質問した女性記者を突き飛ばしてけがをさせる始末。
新聞社は増額に対して反対キャンペーンを張ったが、ほとんど議論されずに、6月15日に提案どおり増額が決定した。

4月11日 市田議長から森市長に議員報酬の引き上げについて検討するよう求め、市長は「市特別職報酬等審議会」に諮問した
4月11日 自民、公明、民生クラブの2会派が、月60万円から70~73万円への増額案を取りまとめ。
増額する理由
・2003年に62万円から60万円に引き下げられた。
・2011年には議員年金が廃止された。
・議員は4年ごとに選挙があり、仕事を辞めてまで市議になろうという人はなかなかいない。
・税金や健康保険料などを引かれるので、ボーナスを含めても手取りは月40万円ほど。
・ここから政治活動の費用も出すので、生活は決して楽ではない。
(政務活動費は一人当たり月15万円)
5月20日 有識者8人からなる市特別職報酬等審議会が、10万円の報酬増を答申。
6月9日 自民党の中川勇会長が、自民党会派控室で市議に議員報酬について話を聞いていた新聞社女性記者を押し倒し、メモ用紙を奪うなど取材妨害
6月13日 富山市議会総務文教委員会で議員報酬を引き上げる条例改正案を賛成多数で可決。
6月15日 富山市議会本会議で、議員報酬を月額60万円を10万円上げる条例案が可決。

新聞社が、現在の報酬や手当が不足しているとすれば、実態を調べよう、と政務活動費を調査した所、実施されていない市政報告会や購入されていない備品が続々と出てきた。
議長を含め、自民党から10人、民進党から2人が辞任することになった。

6月16日 富山市議会の定数を来年4月改選時に、40から38とする定数条例改正案を可決
7月1日 富山市議に夏のボーナス130万5千円
8月20日 北日本新聞社の取材で、中川勇氏の政務活動費の報告に誤りがある事が報道
8月28日 中川勇(自民会派会長)政務活動費の着服を認め、辞任「やめて老後の生活をどうするか心配になった。このままじゃだめだと思った。」
9月9日 村山栄一(自民) 「罪の意識はあったが、経費が掛かりお金が必要だった。軽率だった。」
9月12日 岡本保(自民)「便宜上(領収書を)1枚にまとめた方が分かり易いと思った。」
9月14日 針山常喜(自民)「経済的に楽になると思った。」
9月15日 高田一郎(民進)「不正だと頭の片隅にはあったが、手口は知らなかった。血税を使っており本当に申し訳ない。」
9月15日 針山常喜(民進)「選挙に使うためプールしていた。」
9月15日 浅名長左エ門(自民)「気が付かないです。いろいろなことやってるから。本当に活動しすぎるとダメなんやね。」
9月20日 藤井清則(自民)「一連の不正は勘違いによるものと…この世界はそういうものなのかぐらいの間隔でしかなかった。」
9月20日 谷口寿一(自民)「人付き合いが増え、遊ぶ金が必要だった。」
9月20日 市田龍一 議長 「議員活動の中に紛れ込んでしまった。」
9月28日 岡村耕造(自民)「はっきり覚えてないんです。本当に覚えがない」
9月29日 丸山治久(自民、元副議長)「前半は市政報告会だったので、(会場費や人数を水増しした領収書を作らせて政活費として)請求してもいいと思った。選挙資金として蓄えていた。」
10月3日 浦田邦明(自民)「あくまで不適切な処理。連日の報道で家族に心身の負担をかけているため辞職」

不正はどうして発生したのでしょうか
《動機・プレッシャー》
・毎月15万円が議員口座に支払われ、議員は支払った領収書を出す仕組みらしいが、先にもらってしまうと、「何としても領収書を作って返したくない」と思うのはしょうがない人間の性ではないでしょうか。
・飲み代が足りない。選挙費用が足りない。・・・
《機会》
次の行為によって領収書を作ることができる。
・白紙領収書を用いた架空請求
・プリンタ印刷などで領収書偽造による架空請求
・受領した領収書の支払い額の改竄による水増し請求
《姿勢・正当化》
・他の議員もやっている。
・先にもらっているので、領収書を作らなければいけない。

地に落ちた信頼を取り戻すのは容易なことではない。
議員という尊敬し模範とすべき立場の人たちが不祥事を起こしているようでは、子供たちに何を目指していくべきと教える事が出来ない。
議員は自分のためではなく、あくまでも社会のために、自分をなげうって行動することが求められるが、社会のヒエラルキーが崩壊した現状では求めることが無理なのだろうか。
残念だが、罰則で縛るしかないとすれば、改革は次が考えられる。
《制度改革》
・先払いとなっている政務活動費を後払いして、支払実態のある領収書、しかも政務活動費としてふさわしいものにだけ支払う仕組みに変える。
・葬式などへの議員からの電報を禁止するなど、必要費用の圧縮を行う。
《透明性確保》
・支払先にチェックする。
・政務活動費の内容を公開する。
・議会の透明性と中身の向上のため、議事をネットなどで公開する。
 見られている、後で確認される、という事が分かっていれば、不正はしなくなるとともに、意識とレベルの向上も期待できます。
《倫理観を高める》
・議員辞職で済ますのではなく、詐欺などの犯罪行為として処罰する。
・議員だけでなく、白紙の領収書を渡す企業の姿勢、社会全体の姿勢も変えなければいけない。

さて、12人の辞任(+欠員1名)を受けて13名の補欠選挙が行われる。10月30日告示、11月6日投開票
巷では欠員のままで良いのだはないか、という声が大だが、7人以上の欠員が出た場合は選挙するという条例になっているので、せざるを得ないようだ。
その選挙費用が1億円掛かるそうだが、辞任した12人に求めたいものだ。
ぜひ、あの富山市議会が、こんなに透明性が高く、議論も的確に行われて、素晴らしく変身した、と言われるように改革されることを、期待したい。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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