IFRS 有給休暇の費用計上

IFRSで全く理解できないのが有給休暇の費用計上

「週刊ダイヤモンド臨時増刊 まるわかりIFRS」によると
 企業は従業員に有給休暇を付与した時点で費用と認識し、期末になって未消化になって残っている日数に有給休暇消化率や人件費を考慮して負債としてBSに計上しなければいけないようだ。

 未払い有給休暇引当金=人件費/人・日×社員数×有給付与日数×有給消化率

 例えば人件費/人・日が3万円、社員数5千人、有給付与日数が20日+平均繰越10日、有給消化率が30%とすると、3万円×5000×30×0.3=13.5億円
 工場の稼動が不景気で悪く、有給消化率が上がって100%になると、45億円の引当に膨らみ、泣きっ面に蜂ということになる。

 有給を取ったら穴埋めのために臨時に人を雇わなければいけないのだったら、その費用を見る必要があると思うが、もともと有給はある程度取る前提で社員数が確保されているとしたら、人件費と引当金はダブルカウントにならないのだろうか。
 
 有給休暇を残してしまう日本企業をしてはピンと来ないが、数週間の有給をゆったりと楽しむ欧米においては、それを当然の事として金額換算するのだろうか。
有給をとっても取らなくても企業にかかるコストは同じと考えること事態が、大変遅れた考えなのかも知れませんが、しかし、理解しがたい。
どなたか、判りやすく教えて頂けないでしょうか。

参考としたブログ 
スーパー節税術 国際会計基準の対応
 有給休暇引当金は
・「未消化の有給休暇は給料の未払いである」  の考え方が元になっています。
・有給休暇の買取制度の有無にかかわらず、計上します。
・未消化の有給休暇が多いほど、負債が多くなります。
就業規則や社内規定に「有給の買取」の規定があってもなくても計上することになります。
IFRS対応だから強制的に社内規定も変更が必要ということではないです。

有給休暇と国際会計基準
 有給休暇引当金というのは、計上にはいくつか条件が付きますが、未消化の有給休暇は未払費用とみなされ、費用及び引当金をそれぞれPL、BSに計上する必要がでてきます。
例えば、外資系企業で親会社がIFRSを採用している会社だと、連結では有給休暇引当金の計上は財務諸表上ネガティブなインパクトを与えることになります(ここでは有給の買取に関する議論はちょっとおいておきます)。一方で、今年は不況で業績が思わしくないから、社員に有給消化を奨励し会計上ポジティブなインパクトを与えることも可能ということになります。実際私もこういった理由で社員に有給を消化するようにお達しが出た会社を見たことがあります。同じような有給の消化率が続く場合は、会計上のインパクトはIFRS導入初年度以外は限定的でしょうが、急激に有給消化率が上がった場合は、結構なインパクトがあるはずです。

仕事の量が同じで、個々のパフォーマンスも一定の場合、みんなが急に有給を消化しまくった場合に仕事がまわっていくのかという話もありますが、有給をとることが会社の財務諸表にポジティブな影響を与える可能性がるということであれば、職場の有給に対するスタンスも変わってくる可能性があるのではないかと思います。

企業法務マンサバイバル 有給休暇を付与しない企業が粉飾に
IFRSでは有給休暇の未消化分も評価して負債計上することになるのだそう(P48)。この発想でいくと、有給休暇をそもそも付与していない会社や残業手当を支払わない日本の多くの会社は、負債を正しく計上しない粉飾決算会社として制裁を受けることになります。

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IFRS未払い有給休暇引当金

Google検索でみつけました。これは企業が開示注記しなければならない場合、
当該企業の福利厚生とか人件費などがわかってしまい。場合によってはケチな
あまり従業員にとっていい会社ではないとわかってしまいますね。

現場に嫌われない監査役になりましょう

はじめまして。監査役に対しまして、「経理役」と名乗らせていただきました。

さて、有給休暇についてですが、私のような経営・経理畑(東証一部上場・連結1万人規模)から申しますと、既に対応を求められている項目だと認識しています。よって、学習中です。IFRSについていろいろ調べると、先進国で有給休暇が取れていないのは日本だけといっても過言ではなく、まさしく「国際基準」として受け入れるべき物と感じています。あわよくば、発想の転換で自社の発展の起爆剤となるとも、感じています。


>有給を取ったら穴埋めのために臨時に人を雇わなければいけないのだったら、その費用を見る必要があると思う

 会社は、有給休暇が充分取得できるための要員数か、フレキシブルさを持たなくてはなりません。本来持っているべきなのです。この分のコストを労働者に転嫁して、日本的(中小)経営は成り立っています。国際的には通用しません。有給休暇を取られたから臨時雇用が必要なんて、普段から会社として成り立っているとは思えません。(病気になったら?怪我をしたら?慶弔行事が発生したら?それだけで臨時雇用が必要な会社が、監査役を必要とするような真っ当な会社とは思えませんが)


>有給休暇を残してしまう日本企業をしてはピンと来ないが…
>有給をとっても取らなくても企業にかかるコストは同じと考えること事態が、大変遅れた考えなのかも知れませんが

大変遅れた考えですね。監査役様は、引退間近50代の根性論世代でしょうか?
有休は会社のカネが減るから取るな、従業員は休まず働け。そんな見識の監査役に監査されて、受け側は不快に思わないでしょうか。また、経営側からも言うと、有能な外国人を雇おうとすれば、休暇は絶対的に考慮されます。(日本的な、保養所などの福利厚生など、彼らには無駄なコストでしかありません)国際的に事業を展開するならば、有能な外国人が欲しくありませんか?

この基準をポジティブに受け入れられない企業=国際的に通用しない企業 と言っても過言ではありません。狭い日本市場で過当な競争を繰り返し、日本市場に特化するが故に国際的に受け入れられない日本的な企業。あなたのような考えは、まさに、「日本的な」考えです。

監査役様がまだお若いのであれば、もう一度勉強し直していただけることを望みます。

Re: 現場に嫌われない監査役になりましょう

経理役様
コメントありがとうございます。
確かに、60に近い監査役ですので、遅れていると言うか、付いていけないというか・・・ 恐縮至極です。
改めて検索すると、私の質問にそのまま答えて頂いたようなページが見つかりました。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1011/30/news009.html
以下にコピペさせて頂きます。

IFRSの有給休暇について誤解と違和感を解く
有給休暇の取得率が低い日本では、IFRSにおける有給休暇の扱いについて、話題になることが多いようです。IFRSでは有給休暇について、決して特殊な考え方をしているわけではありません。正しい理解を深めましょう。
[野口由美子(イージフ),ITmedia]2010年11月30日 08時00分 更新

IFRSでは、「未消化分の有給休暇が企業の負債となるため、費用を追加計上することになる」ということはご存知の方も多いと思います。今まで、日本基準では有給休暇については特に何も手当てされてこなかったことや、日本企業では一般的に、非常に多くの有給休暇が未消化分として残っていると考えられることから、日本の会計基準との違いの中でもクローズアップされることが多いトピックです。

 とてもよく知られているトピックでありながら、誤解も多いようです。よくある誤解についていくつか取り上げます。

有給休暇を現金で精算しない場合は費用の計上はいらない?
 これは間違いです。翌期に繰り越される有給休暇はすべて対象となります。未消化の有給休暇を現金精算できる規定があってもなくても、どちらの場合であっても、IFRSでは費用計上が必要になります。ちなみに、権利が繰り越されず、失効してしまう分は対象となりません。

有給休暇を取得してもしなくても、企業の人件費負担は変わらないのだから、IFRSの考え方はおかしいのではないか?
 確かに、有給休暇を取っても取らなくても、給与の額は変わることがありませんので、企業が給与として負担すること自体は、有給休暇の取得の有無と関係ないと思ってしまいます。しかし、この考え方は、IFRSの考え方と違います。また、違うからといって日本の労働環境とIFRSがそぐわないということにもならないと思います。

 IFRSが有給休暇の処理ついて問題にしているのは、企業が従業員から提供を受ける労働とその対価としての人件費の計上が一致することです。適切に人件費の計上を行なうには、給与を支払った時ではなく、労働が提供されたタイミングで費用を計上することが重要です。

 例えば、当期に付与した有給休暇を取らないで働いていて、来期に繰り越して消化した場合を考えてみます。有給休暇を取得しなかった当期と取得した翌期で給与は変わりません。しかし、当期は有給休暇を取得しなかったので労働日数が増えている一方で、翌期においては有給休暇を取得したため労働日数が減っています。

 当期に未消化の有給休暇を費用計上しないと、当期と翌期で労働の提供量が違うのに、同じ給与額だけが人件費として費用となってしまいます。それでは、労働の提供量とそれに対する費用が一致しません。

 このような不一致は、有給休暇の消化が少ない日本ではあまり問題視されてこなかったという背景があると思います(逆に欧米では、一般的に有給休暇の取得が進んでいると考えられるので、この不一致の解消は会計上も重要視されてきたのだと思います)。

日本企業には多くの未消化有給休暇が残っているためIFRSが適用されると負担が非常に重くなる?
 この指摘は当たっていますが、影響は限定的である面もあります。まず、すべての未消化有給休暇の全部を費用計上するわけではなく、有給休暇の消化率を使用し、実際に翌期に消化されると予想される有給休暇分のみを費用計上の対象とします。従って、有給休暇がたくさん残っている場合でも、翌期に消化される可能性が低く見積もられれば、追加費用の負担額は小さくなります(有給休暇の取得が進んでいる企業はそもそも未消化分が少ないため、影響は少なくなります)。

 またIFRS適用初年度は、日本基準から移行するため、この負担額がそのまま費用として企業業績に影響を与えることになりますが、翌年以降は負債として計上された額を洗い替えていくことになりますので、初年度よりも影響は小さくなります。

給与と有給休暇の追加費用の計上で人件費の二重計上になる?
 前の項目でも説明しましたように、有給休暇の追加費用分は負債として計上され、翌期に取り崩されることになります。費用として計上されるタイミングだけを調整していることになるので、二重計上という問題は発生しません。

有給休暇引当金という勘定科目で処理することになり、IFRSでは引当金処理を行なう?
 「有給休暇引当金」という勘定名をご存知の方も多いと思います。これは、日本ではよく使われていますが、IFRSでは「引当金」と考えていません。引当金ではなく、経過勘定と考えられていて「未払従業員給与」と整理されています。これは筆者の推測なのですが、日本では、費用を実際の支払いよりも早いタイミングで費用計上することを、「引当て」、という言葉で表現することがあるので、そのような慣習から使われるようになった言葉なのではないかと思います。

 IFRSの有給休暇は決して特殊な考え方をしているわけではありません。労働の提供のタイミングで人件費を計上しようというものです。この考え方は退職給付などにも表れていて、従業員に付与するもの(給与、ボーナス、退職金、福利厚生など)は、基本的に労働の提供にかかわらせて、費用処理されることになります。

恐縮です…

監査役との重役に就かれているため、もしかしたら…と思っていましたが、「新米」とのフレーズをいいことに、生意気な物言いをしてしまいました。申し訳ございません。

私は、監査役様よりもう少し(少しだけ)若いのですが、新米=若ければ40代程度??それなのに昭和的視野・思考にとどまっている?と、叱咤激励のつもりで書き込んでしまいました。

いずれにせよ、意識改革が求められているのは間違いありません。本音を言えば、会社にとっては追加コスト無しで得られていた労働価値を、量的に公表しなければならなくなるので、うまい話ではありませんよね。

ただ、見方を変えると、それだけうまい汁を吸っていたということ。そして、国際化時代には、それ(日本的「遠慮」・「周りの目への気遣い」)が通用しないということです。

私の会社は、昨今の環境変化により国内の仕事量が頭打ちで、国内の人材を海外へ送り出すケースが急増しています。惰性で考えれば既に育っている国内の人材を派遣するのが簡単ですが、駐在費用を「善し」としないで考えると、馬鹿げたことに思えてきます。現地で優秀な人材を採用する方が理に適っているのです。そういった時に、人材の定着を図ろうとすると、やはりIFRSの意図するような考え方(意識)が必要なのでは…と実感しています。

いずれ来る波、ポジティブに乗り切ることができるよう、今から勉強しておきたいものですね!

プロフィール

新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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