田中教授にお会いする

神奈川大学に田中教授をお訪ねする。

「新任監査役のための分かりやすい会計講座」について、高度な内容が分かりやすく書かれており、北陸監査実務部会で大層評価が高い、という話をすると、
・分かりにくく書くことで専門家だという評価になると思っている先生が多いが、分かりやすく書くと、書いた人の実力もよくわかり、実は大変だ。
・そのままコピーされて発表されることもあったので、柴田連三郎や司馬遼太郎の文体を研究し、さらに分かりやすくなるように書くことが自分の文体となっている。
と、分かりやすくするために大変な努力と工夫をされているようです。

IFRSの動きについては次の驚くべき状況を教えて頂きました。
・イギリスが主導して制度を作っているが、フランスのサルコジ大統領は反対している。ドイツも否定的。
・アメリカの会計制度を決定するのは国会議員(上院・下院)だが、かれらは国際会計基準を採用されると、影響力がなくなるので、否定的になると考えられる。実際、2年後の導入決定は後ろ送りされそうだ。
・日本は連結会計も個別会計も公開しているが、欧米では連結だけ公開している。
・IFRSが採用されたとしても欧米で適用されるのは連結に対してだけであり、今後とも個別会計は各国独自の会計基準で処理され、株主以外には公開されない。(個別を公開しているのは日本だけ)

そのほか
・子会社は親会社に実質コントロールされているのに、上場するのは意味がなく、外国では子会社は100%が当たり前。
・4半期決算を強制されたため、アメリカでは株主に毎回グッドニュースを発表しようと、企業買収と売却を繰り返している。その利益を計上するために、のれん代は償却しない、などと言っている。非常に危険な動き。
・欧米の制度を議論せずに単純に受け入れるのではなく、日本の制度について議論し守っていくことも必要。
・日本は一度方向性を決めたら状況が変わっても突き進む傾向があるが、(マニュフェストに描いたからとか、IFRSの採用を決めたからとか)、きちんと議論して「立ち止まる勇気」も持つ必要がある。
・株主も3年以上売らない人にのみ保有頂く仕組みも、考えられる。
などなど分かりやすく教えて頂きました。

先生の新刊本「会計データの読み方・活かし方」を頂戴し、感謝しております。
今後ともご指導と、日本の会計制度の舵取りを、よろしくお願いいたします。

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新米監査役

Author:新米監査役
常勤監査役を7年間勤めさせて頂きましたが、平成28年6月の株主総会で退任しました。
監査役として悩み検討したことを「監査役の覚悟」を7人の共著で出版させて頂き、感謝しております。
なお、現在は某社の非常勤社外取締役と某校の非常勤監事を務めており、経営のあり方について考える立場にある事、「監査役の覚悟」で「新米監査役のつぶやき」管理人と自己紹介している事から、このブログを継続させて頂きます。
ブレーキはより速く走るためにある、とシュンペーターが言ったように、企業の永続的発展のために、監査・監督について、今後も考えていきたいと思います。
ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

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